[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第47号
[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第47号
第6章 まとめ
[6-4] 様々な不思議と仮説との関連
第3章に関する不思議
4.遺伝子のon、off (第3章 [3-5] )
60兆個の人間の細胞は、全て同じDNAを持っているのに、個々の細胞は、筋肉、皮膚、骨、神経、内臓、毛など様々な細胞に分化していきます。何故、同じDNAを持っているのに機能も形も異なる多種類の細胞に分化していくのでしょうか?
普段は、細胞の中の遺伝子はほとんどが眠っており、いわばスイッチoffの状態になっています。すなわち遺伝子の機能が発現されません。個々の細胞ごとに、DNAの中のどの遺伝子を、どのような条件、タイミングでonにして機能を発現し、いつoffにするのかが巧みにコントロールされています。そのための情報はDNA内部には収まりきれません。
「仮説15」の通り、「いのち」は「生命エネルギー」であり、「生命情報」を内包します。
この「生命情報」の中に、生物の発生、成長、維持に関する情報が含まれていると考えます。
個々の細胞の遺伝子のon、offのための情報や、具体的な手順などマニュアルとしての情報も含まれると考えます。それらは全く見えないソフトウェアですから、具体的な構成や内容については解かりません。でも有ります!
生物の発生、成長、維持は、DNAに書かれた遺伝情報だけでなく、「生命情報」や「気のからだ」の情報にもとづいて有機的に、総合的に行われると考えます。
5.DNAと生命 (第3章 [3-5] )
DNAは生命体にとって極めて重要な遺伝情報を担っています。しかしDNA自身は単なる化学物質ですから、仮にDNAを細胞の外に取り出してしまえば、それ自身が主体的に動き出すことはありません。DNAは細胞の中にあってこそ働きが生じます。
それでは、DNA情報に基づいて細胞を作り、栄養を吸収し、排泄し、細胞固有の機能を果たし、増殖を行わせる主役は一体誰なのでしょうか?
「仮説15」の通り、「いのち」は「肉体のからだ」と「気のからだ」を統合して、「生」を生じさせ「意識」を生じさせます。「いのち」は「生命エネルギー」であり、「生命情報」を内包します。この「生命エネルギー」が細胞に「生」を与え、活動させます。主役は「いのち」です。DNAは遺伝情報の一部を担う単なる化学物質に過ぎないのです。
6.進化は偶然の結果か? それとも必然か? (第3章 [3-6] )
ダーウィンの進化論では、偶然の突然変異によって発生した変種が、生存競争と自然淘汰によって選択され遺伝すると唱えています(適者生存)。私はそのような例もあると思いますが、多くはないと思います。
「仮説9」の通り、生命体が生きて活動している間、「意識」が発生し自我が生じます。生物にとって環境が良い場合は、敢えて進化する必要はありません。もし環境が悪化して生命維持に困難が生ずると、「仮説14」の通り、生物の「意識」の変化の集積が生命体を変化させ、進化させる原動力になります。
生物の「意識」は何とかして生き残ろうと、その能力の範囲内で必死に困難を打開するための工夫を続けます。すなわち生命を維持するために、耐えて、模索して、工夫して、変化して、学習して、発展しようと努力します。そして可能な範囲で個体の変化を誘導します。
すなわち、生物の「生き残ろう」とする強い「意識」の集積が生命体を変化させ、結果的に進化に結びつきます。その意味で進化の具体的事例は、「偶然」の突然変異による場合よりも、変化しようとする意識による「必然」の事例が多いと私は考えています。
7.進化の単位は個体か? それとも種か? (第3章 [3-6] )
ダーウィンの進化論では、突然変異によって個体が変化し、それが徐々に種の中に拡がっていくと考えます。そしてその拡がりのメカニズムの説明に苦労しています。
「仮説14」の通り、生物の「意識」の変化の集積が生命体を変化させ、進化させる原動力になります。
すなわち、個々の生命体だけでなく、同種の多くの生命体の「意識」が同じ傾向を指向すると、気のエネルギーの集積と流れと増幅が起こります。その結果、大きなエネルギーを含んだ「意識」が、大元の「生命情報」に変化を与え、遺伝子を書き換えることができると、個体だけでなくその「種」全体が進化することになります。すなわち、進化の単位は個体だけではなく、むしろ「種」であると考えます。
8.生存競争か? それとも協調と共生か? (第3章 [3-6] )
ダーウィンの進化論では、生存競争すなわち適者が非適者を打ち負かし、競争を勝ち抜いたものが生命を次世代に引き継ぐとしています。しかし実際には、種の中の競争や、種と種の間の生存競争の例は多くはないようです。むしろお互いに協調し、助け合いをし、共に住み分けをして共生、共存している例の方が多くみられます。種の中の協調ならまだしも、異なる種間でも協調・共生が多数行われているのです。
「仮説18」の通り、「気の海」は生命体の「意識」で賑わっています。
そして「生物創造」を得意とする神も沢山おられそうです。生物の属や種ごとに神の専門や担当が決まっているのかも知れません。なお、ここでの神は「意識と叡智」の高みですが、神様も10人10色、性格もいろいろあり得ます。
他の神が創った生物と競争させようとして、ある神が新たな生物を創れば、生存競争が起こります。一方、意志疎通のできた神様同士が協調して新たな生物を創れば、異なる種間でも共生関係が始まります。
したがって生存競争と共生、両方あると考えられます。
9.進化の速度が時代によって異なるのは何故か? (第3章 [3-6] )
ダーウィンの「突然変異」は、無作為かつランダムに変異が起きるというのですから、時代によって変わらず、いつも同じ程度のDNAの変異が起きる筈です。しかしカンブリア大爆発のように、ある時期に極めて多くの変異が発生するのは何故なのか説明できません。
既に述べたように古澤満の「不均衡進化論」は、DNAの複製メカニズムの不均衡を提起してこれを見事に説明しています。しかし変異率を制御する具体的な仕組みは解かっていません。
「仮説14」の通り、「意識」の変化の集積が生命体を進化させる原動力になります。
「意識」の変化は「環境」の変化に対応します。環境の悪化が大きければ大きいほど、生物は生き難くなり「変化」しようと努力します。生き残ろうとする「意識」が強くなります。すなわち、「環境悪化」の速度と大きさによって進化の速度が増すと考えられます。
飢餓状態に置かれた細胞が、頻繁に遺伝子を改変する事例が実際に見つかっています。環境によって遺伝子の変化が促進されるのです。
なお、未知の他の要因によって進化速度が変化する可能性もあり得ます。
10.進化論の当否 (第3章 [3-6] )
様々な進化論がありますが、一体どの進化論が正しいのでしょうか?
ラマルクの「用不用説」、ダーウィンの進化論、ドーキンスの「利己的遺伝子説」、中原英臣らの「ウイルス進化説」、木村資生の「中立進化論」、古澤満の「不均衡進化論」など、それぞれ一面を捉えていると思います。しかし進化の全貌を捉えた総括的かつ完全な進化論はまだありません。群盲象をなでる如くであり、複雑極まりない進化を、一視点からの一面で捉えているに過ぎないと思われます。
「仮説10」の通り、全ての生命体は「意識」を持ちます。そして「仮説14」の通り、「意識」の変化の集積が生命体を進化させる原動力になると考えます。
この「意識」とは、何としても「生き延びる」ことです。生き延び、子孫に引き継ぐために、その環境下で生物にできる最大限の努力・変化を能動的に模索し、積み重ねようとする意識です。努力が実った場合、その生物はより良き方向へ変化し、進化して生き延びます。
私の仮説群は、「生物の意識」が進化の原動力になるという新たな観点を提起しています。
第4章に関する不思議
1.人間のルーツと進化の過程 (第4章 [1-9] )
生物の進化の大筋は「仮説14」の通りです。人間のルーツと進化の過程はまだ良く分かりませんが、通説の通り、類人猿から枝分かれして、段階的に進化してきたものと思います。
現人類が全て「同一種」である理由については、私の仮説だけでは説明できません。
しかし、良く似た種は長期間共存でき難いと考えられます。生存時代や生存場所が同じであり、食物や生殖が同様であれば、総合的に優位な性質を持った種が徐々に繁栄し、劣勢な種は次第に消え去っていくものと思われます。学校などの「いじめ」の構造と似た作用が働くのではないかと推測されます。
2.天才やサヴァンの人々の特異な能力の仕組みは? (第4章 [4-2] )
「仮説7」の通り、脳細胞の活動は振動となって「気の海」に拡がります。そして脳細胞のネットワークはアンテナの役割を果たします。
詳細は解かりませんが、天才や特異な能力をもつ方々は、このアンテナ機能が優れている可能性があります。天才は高性能のアンテナを駆使して、「気の海」の有用な情報を検索できたのかも知れません。サヴァンの人々は、脳の他の機能が抑制されることによって、相対的にアンテナ機能の比重が高まったのかも知れません。結果的に高機能化したアンテナを使って、視覚や聴覚などの情報を「気の海」に高速大量に格納したり引出しているのかも知れません。
3.「心」とは何か? (第4章 [4-4] )
「仮説6」の通り、「心」は「気の海」の振動であり、振動に基づく「情報」を持つと考えます。
4.「脳」と「心」の関係は? (第4章 [4-4] )
「脳」と「心」の関係については3つの説をご紹介しました。「唯物的一元論」、「物心二元論」、「相関的二元論」です。
心は脳の働きの副産物であると考える「唯物的一元論」は間違いです。
「仮説7」の通り、脳細胞の活動は振動となって「気の海」に拡がり「心」(意識)となるのですから、「脳」と「心」は密接に関係し合います。ペンフィールドたちの「相関的二元論」が正しいと考えます。
5.「多重人格障害」と「憑依」のしくみは? (第4章 [4-4] )
「仮説19」の通り、意識を移したり、コピーすることができます。
ある「意識」が他者に移る、またはコピーされ得ると考えます。すなわち、移された人の自我が、コピー元の他者の意識によって影響されてしまうのです。
コンピュータのソフトウェアに例えると解かり易いかと思います。コンピュータを人間と考え、ソフトウェアを「意識」と考えます。
自分のコンピュータのソフトウェアの一部または大部分が、他のコンピュータから送り込まれたソフトウェアに一時的に置き換わってしまうのが「憑依」です。複数の他のコンピュータから送り込まれた複数のソフトウェアに次々と一時的に置き換わってしまうのが「多重人格障害」です。
6.「いのち」とは何か? (第4章 [4-5] )
「仮説15」の通り、「いのち」は「生命エネルギー」であり、「生命情報」を内包すると考えます。そして「いのち」は「肉体のからだ」と「気のからだ」を統合して、「生」を生じさせ「意識」を生じさせます。
7.臨死体験はあり得るか? (第4章 [4-5] )
臨死体験は、死後の世界の事前体験なのか、あるいは物理的な脳内現象による単なる幻覚に過ぎないのか、2つの考え方があります。前者は死後の世界があるとする立場に立ち、後者はそんなものはない、死んだら全て無になると考える立場に対応します。
「仮説16」~「仮説19」の通り、生命体の死後、肉体を失っても「意識」は残り、肉体を持たない「霊」と呼ばれる生命体となります。したがって死後の世界はあり得ます。
ただし「霊」は高次元の「気の海」の存在ですから、具体的にどのような世界なのか私たちには解かりません。臨死体験は実際に死ぬときと全く同じではないにせよ、それに近い体験をしている可能性があり得ます。
8.生命の起源は? (第4章 [4-5] )
生物の起源を説明する仮説をいくつかご紹介してきました。
〇深海の「熱水噴出孔」付近に生息する「高度好熱菌」が起源ではないか。
〇隕石中などに含まれるDNA因子などが地球上で進化したのではないか(宇宙飛来説)。
〇「RNAワールド仮説」
〇「GADV-タンパク質ワールド仮説」(池原健二氏)
ただし上記の仮説は、物質としての生命体の始まりを説明できたとしても、非物質の「いのち」の始まりについては全く触れていません。物質が集合しただけでは生命体として動き出しません。
「仮説15」の通り、「いのち」の本質は「生命エネルギー」であり「生命情報」です。そして「いのち」の本体は高次元の「気の海」にあり、それが個々の生物発生の際にコピーされて、生物が成長、発展していきます。
高次元の「気の海」は、太陽系や銀河系などに留まらず宇宙全体に拡がっています。
したがって何億光年も離れた遥か彼方で生息した「いのち」も「気の海」に存在し得ます。高次元では空間と時間を超越しますから、距離や時間差は影響しません。
私たちが見てきた地球上の生命体の一部も、ひょっとすると地球外の「いのち」すなわち、「生命エネルギー」と「生命情報」の影響を受けている可能性があり得ます。
なお、「地球外生命体」の存在を否定することはできないと思われます。
広い宇宙全体を考えれば、地球と似た環境を持つ惑星は多く存在し得ます。それらの中で生命体が発生する可能性は十分あり得ます。ただし、人間や類人猿などに近い生命体はそれほど多くないかも知れません。
一方、単細胞生物など発達段階の低い生命体は、広範囲に存在し得ます。例えば、木星など他の惑星の衛星や、火星の外側の小惑星帯など、あるいは彗星の中やその飛散物からでも発見される可能性があります。
9.虫の知らせ・テレパシー (第4章 [4-7] )
「仮説12」の通り、人類の「意識」は互いにつながり得ます。したがって、虫の知らせ・テレパシーはあり得ます。
人類の「意識」は互いにつながり得るのですから、他人の心や感情を感じとることがあっても不思議ではありません。距離が離れていても、時間差があっても心が通じ得ます。ただし具体的な方法や技術はあまり知られていません。
10.透視・リモートビューイング (第4章 [4-7] )
「仮説6」の通り、「心」は「気の海」の振動に基づく「情報」を持ちます。
「仮説6」と「仮説12」により、透視・リモートビューイングはあり得ます。
「心」は「気の海」の振動であり高次元空間に拡がっていますから、空間と時間を超越します。空間を超越するということは、「意識」が遠く離れた場所の風景や装置まで拡がり得ます。そしてその情報が、脳細胞のネットワークによって、感じられるまたは見える可能性があり得ます。
11.リーディング(READING) (第4章 [4-7] )
「仮説12」により、人の心を読む能力を持ち、リーディング(READING)ができる方が少なからずおられます。悩みを抱える相談者と相対して、悩みの原因や解決法を読み解ける方々の事例がたくさんあります。ただし、リーディングの結果はいつも正しいとは限りません。本質的に客観性、再現性が十分ではない「意識」の働きに拠っているからです。
12.予知能力 (第4章 [4-7] )
「仮説6」により、予知能力はあり得ます。
「心」は「気の海」の振動に基づく「情報」を持ちます。「気の海」は高次元ですから、空間と時間を超越します。時間を超越するということは、時間の流れがなくなり、過去・現在・未来の区別がつき難くなる、あるいは並立することを意味します。したがって偶然に「気の海」の中の未来の情報が検索されると、結果的に未来を予知することがあり得ます。
13.念力・サイコキネシス (第4章 [4-7] )
「仮説8」の通り、心(意識)によって気が誘導されエネルギーが動きます。そして心(意識)は物質に影響を及ぼし得ます。
したがって、念力・サイコキネシスはあり得ます。
上記の9. 項~13.項は、人間なら誰でも持っている隠された能力、通常は表に出にくい未知の能力の一部と捉えます。現実には、誰でもできるわけではありませんが、生まれつき能力を持っていたり、何かのきっかけで能力が表に出てくることがあるようです。
訓練によって能力を開発できる可能性もあり得ます。
当然ながら、行う人の能力によって結果が大きく左右されますし、その時の状況によって出来たり出来なかったり、その結果の信頼性にもバラツキがあり得ます。「意識」の働きは、物理現象のように常に明確な決定的な結果を伴うとは限らないからです。
これらの能力は私の仮説群によって大筋を説明することができます。そして、もともとは生命を維持するための基本的な能力の一部であったと思われます。しかし文明の発達とともに、それらを使わなくても安全に快適に過ごせるようになった結果、次第に能力が退化しつつあるのかも知れません。
14.生まれ変り・輪廻転生 (第4章 [4-7] )
「仮説16」により、私たちの死後の「霊」が「気の海」に残存します。
場合によっては、「霊」または「霊の変化したもの」がコピーされて、新しく誕生する生命体に宿る可能性があり得ます。したがって生まれ変り・輪廻転生を否定することはできないと思われます。
以上のように、様々な不思議と「仮説」との関連をご紹介してきました。
20の仮説は、根源のエネルギー、気、心、意識、いのち、生命エネルギー、叡智など、ほとんどが見えない非物質に関する仮説であり、それらの共通舞台は、高次元空間に拡がる広大無辺な「気の海」です。「気の海」は、物質、非物質はもちろん、すべての存在と現象の舞台であり、揺りかごであり、ふるさとです。
「気の海」は、物質や天体はもちろん、心や意識やいのちなど、あらゆるもので賑わっています。「気の海」の中に境界はありませんから、心や意識やいのちなど、あらゆるものは互いにつながり得ます。すなわち、全宇宙の存在は単独で存在するのでなく、相互に影響しあう存在と考えられます。
このことが理解できると、人生観や人間としての「生き方」も自然に変化してきますが、今回は紙数の制約からこれ以上踏み込むことができません。
富士健康クラブ
関口 素男
sekiguch@m-net,ne.jp
by jiriki-tachikawa
| 2015-10-08 00:00
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