富士健康クラブ

[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第28号


[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第28号

第3章 生物の不思議

[3-6]  進化論の流れ

ここまで驚くほど多様な生物を眺めてきました。そして生物の様々な不思議を見てきました。どのように考えたら不思議を解くことができるのでしょうか?
その一つと見做されているのが進化論です。

永い間、全ての生物は神によって創られたと考えられていました。神の創造説です。そして19世紀以降、「進化論」が発達してきました。
進化論というと「ダーウィン」を思い浮かべる方が多いと思います。確かに「ダーウィンの進化論」は、生物が進化していることを科学的に論じて、進化論の発端を拓き大きな功績を残しました。そして進化論によって生物の多様性が説明できるようになってきました。しかしダーウィンの進化論で説明できないことも多々あります。

これまでに多くの研究者によって実に沢山の進化論が提案されており、まさに百花繚乱状態、まだ発展を続けている最中なのです。特に、ここ10数年、遺伝子科学や分子生物学の発達で新しい知見が拡がっています。しかし、進化の謎は深く、現在においても究極の進化論には至っていません。

以降、進化論の流れと要点を概観していきます。


1.ダーウィン以前の進化論

「ダーウィン」以前にも進化論の芽生えがいくつかありました。その中から「ラマルク」の進化論に触れます。
ラマルク(1744~1829:フランス)は、良く使われる器官ほど発達して大きくなり、逆に使われない器官は退化して小さくなると考えました。「用不用説」です。
キリンは高い木の葉を食べようとして次第に首が長くなってきた、そしてモグラや深海魚の目は使われないために退化したと説明します。
そして「用不用説」によって変化した機能は子孫に遺伝すると考えました。


2.ダーウィンの進化論

チャールズ・ダーウィン(1809~1882:イギリス)が1859年に出版した「種の起源」によって、進化論が大変な脚光を浴びることになりました。それまでは聖書に書かれているとおり、全ての生物は神によって一度に創造され、そして人間は神に似せて創造された魂を持つ特別な存在であると考えられていました。

ダーウィンの進化論を超要約すると、全ての生物には共通の祖先がいて、その祖先から長い時間をかけて少しずつ変化し枝分かれして、現在の多様な生物の繁栄に至ったというものです。その骨子は:
(1)生物には自然に変種が現われる。(突然変異)
(2)変種は生存競争と自然淘汰によって次世代に受け継がれるかどうかが選択される。(適者生存)

「種の起源」では、飼育栽培における変種、自然のもとでの変種、生存競争、自然選択、地質学的遷移、変異の法則など、当時の様々なデータを基にして結論を導いています。
ダーウィンの進化論は宗教界の反発を受けながらも、様々な幸運も味方して、途中で潰されることもなく現在にまで生き延びています。そしていくつか問題点があるものの進化論の源流として認められています。

なお、ダーウィンの「突然変異」は、無作為かつランダムに変異が起きるというものです。すなわち、生物はランダムに変異を繰り返し、たまたま環境変化に適し他を圧倒できた種が繁栄し、数十億年かけて現在見られるような多様性が実現したという考えです。


3.ダーウィン以後の進化論

多様な生物やその現象の中には、ダーウィンの進化論で説明できないものも沢山あります。それらを踏まえて様々な進化論が発表され、またいくつかの重要な発見が行われました。その中の主なものだけ簡単に触れてみます。

(1)メンデルの遺伝の法則
グレゴール・メンデル(1822~1884:オーストリア)は、エンドウマメの膨大な交配実験から「メンデルの法則」を発表しました。すなわち、両親から受け継いだ2つの遺伝因子の組み合わせによって子の遺伝形質が決まり、その際、優性遺伝因子が劣勢遺伝因子に対してより多く遺伝するというものです。

(2)突然変異の発見
ド・フリース(1848~1935)は、オオマツヨイグサを栽培している過程で突然変異が起きることがあり、それが遺伝することを発見しました。

(3)遺伝子の発見
モーガン(1866~1945:アメリカ)は、遺伝子は細胞の中にある染色体に含まれていることを1915年に実証しました。そして1953年ワトソンとクリックによって、遺伝子の具体的構造すなわちDNAの存在が初めて明らかにされました。
進化とは、DNAが変化してそれが子孫に受け継がれることであり、これ以降、DNAの変化を中心にして進化が論じられるようになりました。

(4)細胞内共生説

生物の最小単位である細胞の中には1個の「核」があり、核の中にDNAが保護されて存在し、次世代に遺伝していきます。一方、細胞の中の小器官である葉緑体やミトコンドリアの中にも、核とは別に個別のDNAが存在することが1962年に発見されました。
これらの事実を体系化して、1967年アメリカの女性科学者マーグリスは、「細胞内共生説」を発表しました。ミトコンドリアと葉緑体は、太古の昔は独立した単細胞生物(原核細胞)だったが、あるとき別の細胞に寄生して共生するようになったというものです。寄生された細胞は真核細胞へ進化して機能と性能を飛躍的に高めていきました。そして植物や動物などの多細胞生物に進化していきました。

(5)ドーキンスの利己的遺伝子説

ダーウィンの進化論では、生物は生存競争に勝ち残り、自分自身の子孫を増やしていくことが進化の原動力であると捉えています。ところがダーウィンの進化論では説明できない現象もいろいろあります。生物によっては自己犠牲的な行動や利他的な行動をとる例が沢山あります。例えば、キツネに狙われたヒバリの母親は子供のヒナを助けるために、けがをしたフリをしてキツネの注意を自分に向けさせます。自らを危険に晒してでも子供を救う行動をとります。また、ミツバチの働きバチは子供をいっさい作らず一生を集団のために働き通します。また生物によっては自分の子供を自ら殺すこともあります。

リチャード・ドーキンス(1941~ イギリス)は、1976年「利己的遺伝子説」を発表し世界中にセンセーションを巻き起こしました。個体でなくDNA自身が生き延びることが生命の最大の目標であり、そのために個々の個体が死んでも、あるいは他の個体をサポートしてでも、ひたすら自身のDNAを増やそうとするという説です。すなわち、遺伝子は極めて利己的であり、生物は遺伝子であるDNAの乗り物に過ぎないというのです。なるほど生物の自己犠牲的な行動や利他的な行動や子殺しを説明できます。しかし反論や批判も多く出されています。


<補足>

私たちの体の中では日常的にDNAの変異が起きています。DNAの変異は複数の原因で起きます。宇宙線、放射線、活性酸素、化学物質、敢えて変異を促す仕組みなど様々ありますが、頻度の大きいものはDNAを複製する際のコピーミスによるもののようです。
DNAのコピーミスは、生殖細胞のDNA1文字に対して、1年で約10億分の5の確率と計算されています。ヒトのDNAには約30億文字が含まれるので、1つのDNAに1年あたり15個程度の変異が起きている計算になります。
一方、変異したDNAを自動修復する機能も備わっています。DNAポリメラーゼなどが自動的に修復を行いますがうまく修復できない場合もあります。
いずれにしてもDNAの変異は、生物を進化させてきた原動力であると考えられています。
[PR]



by jiriki-tachikawa | 2015-01-15 07:30 | 不思議メールマガジン

中高年を主対象とする健康・長寿・自己実現のための健康クラブです
by jiriki-tachikawa
プロフィールを見る
画像一覧

フォロー中のブログ

メモ帳

最新のトラックバック

ライフログ

検索

ブログパーツ

外部リンク

ファン

ブログジャンル

画像一覧