53.健康寿命と高齢者医療
53.健康寿命と高齢者医療
今回は少し視点を変えて、人間の寿命と高齢者医療に関してちょっとだけ
触れてみます。
1.健康寿命と平均寿命
日本は世界一の長寿国というイメージがあるかと思います。
確かに平均寿命は、男性:79.4歳、女性:85.9歳で世界有数ではあり
ます。(2012年7月発表データ)
しかし、残念ながら男女とも世界一の座から既に転落しています。
長く生きれば良いというものでもないので、世界一に拘る必要はないと思い
ます。
むしろ深刻なのは、実際に元気で過ごしている時間は、はるかに短いのです。
厚生労働省は、介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して
健康に生活できる期間を「健康寿命」と定めて推計を行ない、今年6月に
初めて発表しました。
2010年の健康寿命は男女ともに、平均寿命に比べていずれも10年ほど
短いことをあきらかにしています。
日本人の健康寿命は、男性:70.4歳、女性:73.6歳です。
WHO(世界保健機構)の提唱から10年以上経過して、遅ればせながら
今年初めて発表した厚生労働省のデータです。
平均寿命と、健康寿命の差は、男性:9.0歳、女性:12.3歳 とても
大きいですね。
10年前後の間、自らも苦しい、辛い思いをし、周囲にも多大な影響を与え
て老後を過ごしていることになります。
そしてこの間、膨大な医療費を使っていることになります。
現実に医療費は増大の一途を辿っています。
当然ながら、大幅に健康寿命を引き伸ばす必要があります。
そして願わくば、PPK(ピンピンコロリ)を目指したいものです。
エーっ、朝までピンピンして、元気でいたのに!!!
2.日本人はどんどん不健康になっている!
昔、米国では何処へ行っても、100Kgを優に超す肥満した巨体を、ゆさ
ゆさ揺すって歩く中高年の男女の姿を多く見かけました。
そして心臓病やガンをはじめ様々な疾病に苦しむ人がとても多くて大問題
になりました。そして日本人の和食が大いに見直された時期でもありました。
新渡戸文化短大の中原学長によると、1970年代から米国では、「ヘルシー
ピープル運動」に取り組み、状況が大幅に改善されてきています。
そして、この40年の間に、日米市民の健康状態が逆転していると言って
います。
心筋梗塞死では、米国では、35%減らせたが、日本では逆に1.6倍に
増加。
ガン死では、米国では94年から減少に転じているが、日本では3倍に増加。
中原学長によると、日本人はどんどん不健康になっている と言っています。
例えば、野菜摂取量は、97年292gから、2006年267gで9%
減少。
米国では、野菜摂取に努め、2010年350gを突破しています。
日本男性の肥満率は、97年24%から2006年29%で5%増加。
この間の、平均歩数は、8202歩から7532歩で8%減少。
それでは、どうしたら良いのか?
既に本メールマガジンで縷々述べてきました。
多方面から健康に留意する必要があります。
食事や運動、休養に留意しましょう。
野菜をもっともっと多く摂りましょう。
そして「ガンを予防する歩く気功」を行いましょう!
出来れば、他の気功や自力整体、太極拳なども始めましょう!
健康・長寿は全て自己責任です。
3.高齢者の医療
現代医療では、高齢者も壮年者も若者も基本的に同じ内容で医療を受けます。
しかし、人間の様々な機能は、ほとんど20代前後がピークであり、以後
年齢とともに低下していきます。60代、70代になるとピーク時の半分や
1/3以下に低下する機能も多くなります。
年をとれば機能が衰えるのは当然であり、次第に枯れて死の方向へ近づく
のは自然の摂理です。
残念ながら現代医療では、高齢者や終末期を迎える人々のための医療に対
する議論や方策が大幅に不足しているように思います。
例えば、血圧ひとつとっても、最高血圧を130以内に抑えることを目標に
して、若者と同じ対処をしています。しかし、数十年前までは、年齢+90
までは特に問題視しない医師が多かったと聞いています。たとえば70歳
の方なら、90を加えて160程度ぐらいはむしろ自然と考えていました。
現代は、年齢に関係なく、130を少し超えると、降圧剤などの処方が行わ
れます。そして一生、降圧剤を処方し続けることになります。
当然医療費は高騰していきます。
製薬会社を中心にした医療業界の陰謀ではないかと感じることさえあります。
高齢者や終末期を迎える人々への医療は、壮年者や若者とは異なる考え方を
模索すべきと思います。
4.自然死
この世に生を受けた以上、人間は誰でも必ず死にます。
でも、死や終末期の生き様に関しては、いざその場に至らないとなかなか
向き合えないのも人間です。
この春読んだ本の中で考えさせられる本がありますのでご紹介します。
「大往生したけりゃ医療とかかわるな」 中村 仁一著
玄冬舎新書 760円+税
著者は、京大医学部卒業後、病院院長や理事を経たのち、現在は特別養護
老人ホームの常勤医師を10年以上続けておられます。そしてこの間、
数百例の「自然死」を見守り、様々な経験を積んでこられました。
そのポイントを、ホンの一部だけ:
・現代のほとんどの医者は、「自然死」を見た事がない。必ず余計な医療の
手を加えるから「自然死」に遭遇できない。
・終末期の高齢者にとって過剰な医療は、苦痛であり悲惨であるケース
が多い。
・「自然死」の場合は、痛みもなく穏やかに死んでいける。
・ガンであっても完全放置して、余計な手を加えなければ、痛みもなく穏や
かに死んでいける。
著者は自らの経験から、自分が死ぬならガンが一番 と公言しています。
この本にはとても共感する部分が多いのですが、著者は、寿命や死に対して、
無理に抗わない、受動的かつ従順な考えを持っているように感じています。
私自身は、もっともっと積極的に病気や怪我を予防し、健康寿命を引き延ば
して、一度しかないこの世の生を有意義に楽しみたいと考えています。
そのために、気の働きを理解して、気を活用する方々が増加することを願っ
ています。
なお次回は、「オリンピック競技と気の働き」について触れる予定です。
以上
今回は少し視点を変えて、人間の寿命と高齢者医療に関してちょっとだけ
触れてみます。
1.健康寿命と平均寿命
日本は世界一の長寿国というイメージがあるかと思います。
確かに平均寿命は、男性:79.4歳、女性:85.9歳で世界有数ではあり
ます。(2012年7月発表データ)
しかし、残念ながら男女とも世界一の座から既に転落しています。
長く生きれば良いというものでもないので、世界一に拘る必要はないと思い
ます。
むしろ深刻なのは、実際に元気で過ごしている時間は、はるかに短いのです。
厚生労働省は、介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して
健康に生活できる期間を「健康寿命」と定めて推計を行ない、今年6月に
初めて発表しました。
2010年の健康寿命は男女ともに、平均寿命に比べていずれも10年ほど
短いことをあきらかにしています。
日本人の健康寿命は、男性:70.4歳、女性:73.6歳です。
WHO(世界保健機構)の提唱から10年以上経過して、遅ればせながら
今年初めて発表した厚生労働省のデータです。
平均寿命と、健康寿命の差は、男性:9.0歳、女性:12.3歳 とても
大きいですね。
10年前後の間、自らも苦しい、辛い思いをし、周囲にも多大な影響を与え
て老後を過ごしていることになります。
そしてこの間、膨大な医療費を使っていることになります。
現実に医療費は増大の一途を辿っています。
当然ながら、大幅に健康寿命を引き伸ばす必要があります。
そして願わくば、PPK(ピンピンコロリ)を目指したいものです。
エーっ、朝までピンピンして、元気でいたのに!!!
2.日本人はどんどん不健康になっている!
昔、米国では何処へ行っても、100Kgを優に超す肥満した巨体を、ゆさ
ゆさ揺すって歩く中高年の男女の姿を多く見かけました。
そして心臓病やガンをはじめ様々な疾病に苦しむ人がとても多くて大問題
になりました。そして日本人の和食が大いに見直された時期でもありました。
新渡戸文化短大の中原学長によると、1970年代から米国では、「ヘルシー
ピープル運動」に取り組み、状況が大幅に改善されてきています。
そして、この40年の間に、日米市民の健康状態が逆転していると言って
います。
心筋梗塞死では、米国では、35%減らせたが、日本では逆に1.6倍に
増加。
ガン死では、米国では94年から減少に転じているが、日本では3倍に増加。
中原学長によると、日本人はどんどん不健康になっている と言っています。
例えば、野菜摂取量は、97年292gから、2006年267gで9%
減少。
米国では、野菜摂取に努め、2010年350gを突破しています。
日本男性の肥満率は、97年24%から2006年29%で5%増加。
この間の、平均歩数は、8202歩から7532歩で8%減少。
それでは、どうしたら良いのか?
既に本メールマガジンで縷々述べてきました。
多方面から健康に留意する必要があります。
食事や運動、休養に留意しましょう。
野菜をもっともっと多く摂りましょう。
そして「ガンを予防する歩く気功」を行いましょう!
出来れば、他の気功や自力整体、太極拳なども始めましょう!
健康・長寿は全て自己責任です。
3.高齢者の医療
現代医療では、高齢者も壮年者も若者も基本的に同じ内容で医療を受けます。
しかし、人間の様々な機能は、ほとんど20代前後がピークであり、以後
年齢とともに低下していきます。60代、70代になるとピーク時の半分や
1/3以下に低下する機能も多くなります。
年をとれば機能が衰えるのは当然であり、次第に枯れて死の方向へ近づく
のは自然の摂理です。
残念ながら現代医療では、高齢者や終末期を迎える人々のための医療に対
する議論や方策が大幅に不足しているように思います。
例えば、血圧ひとつとっても、最高血圧を130以内に抑えることを目標に
して、若者と同じ対処をしています。しかし、数十年前までは、年齢+90
までは特に問題視しない医師が多かったと聞いています。たとえば70歳
の方なら、90を加えて160程度ぐらいはむしろ自然と考えていました。
現代は、年齢に関係なく、130を少し超えると、降圧剤などの処方が行わ
れます。そして一生、降圧剤を処方し続けることになります。
当然医療費は高騰していきます。
製薬会社を中心にした医療業界の陰謀ではないかと感じることさえあります。
高齢者や終末期を迎える人々への医療は、壮年者や若者とは異なる考え方を
模索すべきと思います。
4.自然死
この世に生を受けた以上、人間は誰でも必ず死にます。
でも、死や終末期の生き様に関しては、いざその場に至らないとなかなか
向き合えないのも人間です。
この春読んだ本の中で考えさせられる本がありますのでご紹介します。
「大往生したけりゃ医療とかかわるな」 中村 仁一著
玄冬舎新書 760円+税
著者は、京大医学部卒業後、病院院長や理事を経たのち、現在は特別養護
老人ホームの常勤医師を10年以上続けておられます。そしてこの間、
数百例の「自然死」を見守り、様々な経験を積んでこられました。
そのポイントを、ホンの一部だけ:
・現代のほとんどの医者は、「自然死」を見た事がない。必ず余計な医療の
手を加えるから「自然死」に遭遇できない。
・終末期の高齢者にとって過剰な医療は、苦痛であり悲惨であるケース
が多い。
・「自然死」の場合は、痛みもなく穏やかに死んでいける。
・ガンであっても完全放置して、余計な手を加えなければ、痛みもなく穏や
かに死んでいける。
著者は自らの経験から、自分が死ぬならガンが一番 と公言しています。
この本にはとても共感する部分が多いのですが、著者は、寿命や死に対して、
無理に抗わない、受動的かつ従順な考えを持っているように感じています。
私自身は、もっともっと積極的に病気や怪我を予防し、健康寿命を引き延ば
して、一度しかないこの世の生を有意義に楽しみたいと考えています。
そのために、気の働きを理解して、気を活用する方々が増加することを願っ
ています。
なお次回は、「オリンピック競技と気の働き」について触れる予定です。
以上
by jiriki-tachikawa
| 2012-08-23 00:00
| ガン予防メールマガジン
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