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[宇宙の不思議・いのちの不思議] 


[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第7号

第1章 宇宙の不思議

[1-5] 相対性理論

宇宙を語るときに避けて通れないのがアインシュタインの相対性理論です。宇宙における様々な現象を解析し推論する際の強力なツールになっているからです。

1.相対性理論とは?

(1)相対性理論は、1905年に発表された特殊相対性理論と1916年に発表された一般相対性理論の総称です。両者はいずれもアルベルト・アインシュタイン(1879~1955)が提唱した従来の常識を覆す画期的な物理学の理論です。

(2)光速度不変の原理と相対性原理を前提にして、空間、時間、物質、エネルギーの関連を規定しています。

(3)特殊相対性理論は、力が働いていない系(等速運動している慣性系)を扱い、一般相対性理論は、力や重力が加わっている系(加速度運動系)まで扱う理論です。


2.相対性理論のポイント

相対性理論の中の重要なポイントのみ超要約してご紹介します。

(1)光速度不変の法則

「光の速度は光源の運動状態に係わらず常に一定である。」(光速=C=約30万km/秒)

これを宇宙における基本的な法則であると捉え、これを大前提として相対性理論を構築しています。

例えば、光速Cで飛行するロケットに乗った人が、進行方向に向けてランプを点灯します。このときロケットに乗った人から見ても、地上で見ている人から見ても光速は同じC(光速)として見えます。今までの常識では、ロケットの速度Cと、光の速度Cが加算されて、地上から見る光はCの2倍の速度に見えそうですが、光の場合そうならないのです。(そのからくりは、次項の「空間の縮みと時間の遅れ」にあります。)

(2)高速で動くと空間が縮み時間が遅れる。

2つの系、例えば動いている人と、静止している人の座標系を考えます。静止している人から見ると、高速で動いている系の空間は縮小して見え、時間もゆっくり進むように見えます。
したがって光速に近い超高速ロケットで宇宙旅行して地球に戻った人は、地上で生活していた人よりも時間の経過が少ない分だけ若くなります。浦島太郎の逆バージョンです。
光の速度は光源の運動状態に係わらず常に一定であるとすると、高速で移動する系は必然的に、空間が縮み時間が遅れざるを得ないのです。

(3)物質の速度が増すと質量が増す。

ニュートン力学では、物質の質量は速度に無関係に常に一定だったのですが、相対性理論では、速度が増せば増すほど質量が増します。速度が光速度に近づくにつれて質量は限りなく大きくなっていきます。したがって物質を加速する場合、光速度に近づけば近づくほど加速するのに膨大なエネルギーが必要になり、そのエネルギーの大半は加速でなく質量増加に使われてしまいます。質量を持ついかなる物質も光速度まで加速することは不可能になります。

(4)物質とエネルギーは等価である。    

物質mとエネルギーEは等価でありその関係式は下記です。
E=mC2    
Cは光速です。C2はCの2乗と読み替えてください。(メールマガジンでは、2乗、3乗などのべき乗の上付き文字が普通の大きさと位置に変化してしまいます。)
係数が光速の2乗でとても大きな係数のため、わずかな物質mが巨大なエネルギーEに変換されます。1グラムの物質(1円玉1個)が石油20万リットルのエネルギーに相当します。
このことが原子力発電や、原爆、水爆などに応用されています。また太陽の中で起っている核融合反応も、この式に従った膨大なエネルギーを発生させて数十億年以上輝き続けることができます。

(5)重力によって時空間が歪む。

物質の周囲の空間は、物質の質量に応じて曲がり、歪みます。重力は時空間の歪みの結果であると、発想の大転換をしています。質量が大きければ大きいほど歪みが大きくなり、光さえ空間の歪みに応じて曲がって進みます。
そして重力が強くなるほど時間が遅れます。例えば、極度に大きな質量が集中するブラックホール近傍では重力が極めて強いので、時間がゆっくり流れ時計が遅れます。


3.相対性理論の身近な応用

自動車に搭載されている「カーナビ」にとって相対性理論は不可欠です。カーナビは「GPS」(全地球測位システム)を利用しています。GPSは地上2万kmを周回する27個の人工衛星群から構成されています。

カーナビはこの衛星からの電波を受信して現在位置を割出します。ところが衛星は超高速で移動するため、相対性理論により時計が遅れてしまい、そのままでは誤差が大きく使い物になりません。他にも誤差の要因がありそれらを相対性理論により補正することで正確な位置情報を計算しています。


4.ニュートン力学との関連

(1)相対性理論は、我々の直感と異なる部分が多いので理解し難い面が少なくありません。しかし、実際に宇宙の様々な現象を観測すると、多くの観測結果が相対性理論の計算結果とピタリと一致します。そして多くの科学者が相対性理論を認め、かつ積極的に応用しています。

(2)その結果、ニュートン力学の前提条件であった「絶対空間」(無限の過去から未来まで変わらずに存在し続ける静止空間)と「絶対時間」(無限の過去から未来まで何処においても一様に流れる時間)の概念は否定されることになりました。

(3)しかし、超高速や宇宙と関係のない地上の普通の機械や装置類は、現在でもほとんどニュートン力学で設計され製造されています。速度が光速に比べて十分小さく、また質量も巨大でなければ、実用上誤差が無視できるため、遥かに簡単で解かり易く便利であるからです。


5.相対性理論の問題点

(1)相対性理論は万能ではありません。素粒子などのミクロの世界では適用できません。

(2)またビッグバン理論によると、宇宙のはじまりは極微の1点から始まったことになっていますが、宇宙の大きさがゼロに近づくと計算結果が無限大になって発散してしまいます。
ブラックホールの中心でも、その大きさがゼロに近づくと計算結果が無限大になって発散してしまうため、中心部がどのようになっているのか解析することができません。

(3)なお、相対性理論は量子論と並び今日の物理学における最重要理論ですが、観測の影響を考慮していない理論であるため、現代物理学ではなく、古典物理学として分類されています。


[補足]

(1)アインシュタインは1916年に一般相対性理論を発表しました。その後、物質の重力(引力)と対抗する斥力(反発力)が必要と考えて、「アインシュタイン方程式」の中に、宇宙項(斥力の項)を付加しました。宇宙は一定の大きさに保たれていると考えていたからです。

(2)しかし、ハッブルらによる宇宙膨張の観測結果を見て1931年、自ら宇宙項を削除しました。ところがアインシュタインの死後、20世紀末になって、宇宙の「加速度的な膨張」が発見されたため、後世の物理学者によって宇宙項がまた復活されています。

(3)アインシュタイン方程式は、相対性理論から導かれ、空間-時間-質量-エネルギーの関係を表します。超々簡略化すると下記の形式になります。

   A項+B項+C項=D項

A項は空間の曲がり具合を表し、B項は時間の遅れ具合を表します。C項が宇宙項です。重力(引力)に対抗する斥力(反発力)を表しています。
D項は、物質の質量、エネルギーを示しています。


[私見]

理由は後に述べますが、私はアインシュタイン方程式にもう1項目、E項を付加する必要があるのではないかと考えています。E項は意識項です。強い「意識」が物質やエネルギーに作用を及ぼす可能性があるからです。


[トピックス!]

前号(3/13配信)の中で、「ビッグバン」に先立って先ず「インフレーション」と呼ばれる急激な宇宙空間の膨張が起こったと述べました。(5.宇宙のはじまり(1)項) 
この説は、1980年佐藤勝彦氏(自然科学研究機構長)や、米国アラン・グース氏によって別個に提唱された仮説です。

ところが、先週2014年3/17に、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターが、「インフレーション」の決定的な証拠を発見したと発表しました。南極における「宇宙マイクロ波背景放射」の観測と分析から、宇宙空間の急激な膨張時に発生した「重力波」を検出したというものです。今回の観測結果は十分な検証を重ねており、絶対の自信を持っていると言っており、確認されれば予言者や発見者にノーベル賞の可能性もありそうです。

なお、重力波は相対性理論によってその存在が予言されています。巨大な質量が動くと、空間の歪みが波となって周囲に拡がり「重力波」が生じます。



# by jiriki-tachikawa | 2014-03-27 00:05 | 不思議メールマガジン

[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第6号


[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第6号

第1章 宇宙の不思議

[1-4] 宇宙の姿

5.宇宙のはじまり

宇宙が時間の経過とともに膨張しているということは、逆に時間を遡って巻き戻していくと、宇宙はどんどん小さくなっていき、最初の宇宙の始まりは小さな1点に戻ることになります。

宇宙の年齢は138億歳と発表されています。(2013年3月。それ以前は137億歳と言われていました。)

「宇宙のはじまり」については次のような仮説が一般的になってきています。

(1)宇宙は極微の1点から始まった。始まると同時に、空間が瞬間的に急激に膨張した。この膨張は指数級数的に超高速で膨張した。この急激な宇宙空間の膨張を「インフレーション」と呼んでいます。(1980年 佐藤勝彦他による。)

(2)インフレーションが終了するにつれ、そのエネルギーが物質へ転化されて、物質の最小単位である「素粒子」が誕生しました。素粒子は超高速でバラバラに飛び回り、灼熱の超高温・超高密度状態になりました。そして膨張を続けました。これを「ビッグバン」と呼んでいます。(1948年ジョージ・ガモフによる。)

(3)それ以降、宇宙の膨張速度は、少し緩やかな膨張に転じました。そして宇宙の膨張が進むのにつれて温度が少しずつ下がり、素粒子が合体して陽子や中性子が誕生しました。

(4)核融合反応がはじまり、陽子(水素原子核)や中性子からヘリウム原子核やリチウム原子核が合成され始めました。(ただしこの段階では、電子が取り込まれていないので単なる原子核であり、「原子」ではありません。

(5)宇宙膨張により温度が更に下がり、電子が原子核に補足されて「原子」が誕生しました。水素原子やヘリウム原子などです。宇宙の始まりから38万年後と推測されています。

(6)宇宙には水素ガスとヘリウムガスが漂よっていましたが、ガスの分布にはムラがあったと考えられ、重力作用によって、このムラが少しずつ大きくなり密度の濃淡が成長していきました。

(7)ガスの濃い部分がさらに凝縮して「星の卵」(原始星)が生まれました。星の卵が更に成長して「ファーストスター」(第1世代の恒星)が誕生しました。宇宙誕生後3億年頃のことです。

(8)「ファーストスター」は核融合反応によって明るく輝き、膨大なエネルギーを周囲に放出します。しかし、核融合反応の原料である水素やヘリウムがなくなると、より重い元素が燃料として使われるようになりその結果、炭素、窒素、酸素、ケイ素や鉄など様々な元素が合成されて内部に溜まります。

(9)核融合反応が終わりに近づき「ファーストスター」が燃え尽きると、超新星爆発を起こして星の死を迎えます。その際、様々な元素や星の残骸を周囲の宇宙空間に散逸させます。

(10)軽い水素ガスとヘリウムガスだけだった宇宙空間に様々な重い元素が浮遊するようになり、それらを原材料にした第2世代以降の恒星や惑星が次々と誕生していくことになります。そして延々と繰り返されて5億年ほど経過すると銀河が形成され、さらに銀河団が形成されていきます。
太陽系の誕生は比較的新しく、宇宙誕生後91億年頃と考えられているようです。


6.元素の誕生

(1)地球には様々な元素が存在します。
軽い元素である水素、ヘリウム、リチウムまでは宇宙誕生時のビッグバンのときに生成されました。

(2)それより重い炭素、窒素、酸素、ケイ素や鉄などは、恒星内部の核融合反応によって生成されました。それらが宇宙空間に拡がることで、生命誕生の下地ができました。

(3)そして恒星の寿命が尽きて超新星爆発を起こす際に、爆発のエネルギーによって更に鉄、ニッケル、クロム、コバルトなどが生成されて宇宙空間に撒き散らされます。

(4)ただし、それらより重い金、銀、プラチナ、ウランなどの生成状況についてはまだ良く解かっていません。今のところ、超新星爆発の中心付近や、中性子星同士の衝突の際に生成されるのではないかと推測されているようです。


7.恒星の終焉

(1)恒星は、生まれるときの重さで一生が大きく変わります。すなわち、恒星の寿命や、最後の成り行きや形状は、生まれた時の重量で決まってしまうと考えられています。

(2)恒星の末期に核融合反応の材料(水素やヘリウムなど)が尽きると、圧力バランスが崩れてしまい、恒星は膨張して巨大化していきます。半径が元の数百倍以上に膨らむようです。そのため表面温度が低下して、外から見ると赤く見えるため「赤色巨星」と呼ばれます。

(3)太陽の8倍よりも軽い恒星の場合、比較的穏やかな死を迎えます。ガスを徐々に放出して最終的には中心部分だけが残り「白色矮星」と呼ばれる小さな星になります。そしてその周辺には、放出したガスが取り囲むように集まって、惑星状星雲と呼ばれる淡い星雲ができます。

(4)太陽の8倍よりも重い恒星の場合、超新星爆発を起こして壮絶な死を迎えます。この際、外層は吹き飛びますが、恒星の中心部分は重力崩壊を起こして超高密度な「中性子星」が残ります。

(5)太陽の25~30倍以上重い星の場合、中性子星ではなく、ブラックホールが形成されるようです。
ブラックホールについては、後の章で説明します。


なお、宇宙の始まりの直前は? 宇宙の最後は? については後の章であらためて触れる予定です。



# by jiriki-tachikawa | 2014-03-27 00:00 | 不思議メールマガジン

[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第5号

[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第5号

第1章 宇宙の不思議

[1-4] 宇宙の姿

1.銀河団

(1)宇宙には多数の銀河が浮かんでいますが、単独で存在する銀河はむしろ少なく、多くは複数の銀河が集まって「銀河群」(数個~数10個の集まり)や、更に多数の銀河が集合して「銀河団」(50個~数千個の銀河の集まり)を構成しているようです。

(2)「銀河群」や「銀河団」、そして所属する内部の各銀河はバラバラにならずに集団を維持しています。


<注目!>

「銀河」や「銀河群」や「銀河団」が、バラバラにならずに集団を維持できるのは、重力の作用と考えられてきました。しかし近年になって、それらに含まれる物質の質量だけでは大幅に重量が不足しているため、集団を維持できないことが解ってきました。
宇宙空間には我々が知っている素粒子や原子や分子だけでなく、未知の物質が拡がっており、その重力によって、銀河や銀河団が維持されているようです。
未知の物質なので、ダークマター(あるいは暗黒物質)と呼ばれています。その重量は、既知の物質の総重量の5倍程度と見積られています。
「ダークマター」については後述いたします。


2.宇宙の大規模構造


(1)宇宙を外側から巨視的に眺めると、星や銀河団の分布は一様ではなく、粗密のマダラ模様になっているようです。あるいは、立体的な編み目模様のようになっているようです。

(2)石鹸水を泡立てると、無数の泡ができます。泡の内部は空っぽであり、石鹸液は膜の表面や、膜と膜が合わさる接続部分に密に集中しています。

(3)星や銀河団の分布は、泡の石鹸液のある位置にほとんどが分布しており、泡の空気に相当する部分にはあまり存在していません。そんなことから、宇宙は「泡構造」になっていると言われることもあります。

(4)そしてこの構造は宇宙のどの方角を向いても同様な等質な構造になっています。
これらを宇宙の「大規模構造」と呼んでいます。


3.宇宙の膨張

(1)1929年「ハッブル」らによって、次の重要な事実が発見されました。

◎全ての銀河は互いに遠ざかっている。
◎遠くの銀河になればなるほど遠ざかる速度が大きくなっている。

(2)これは、宇宙全体が一様に膨張していることを示しています。宇宙すなわち空間そのものが膨張するため、個々の銀河は空間の拡張にしたがって結果的に遠ざかってしまうのです。
 
(3)「宇宙は膨張している!」 世界に衝撃が走りました。宇宙は定常状態を維持するので、膨張したり縮小したりはしないと考えていたアインシュタインは、自ら作った相対性理論の方程式を一部修正しました。


4.宇宙の加速度的な膨張

(1)20世紀前半のハッブルらの発見以来、宇宙が膨張していることは知られていました。ところが近年になって驚くべき事実が判明しました。遠方の銀河を精密に観測することによって、宇宙の膨張は加速度的にますます膨張していることが判りました。そして異なる他の方法で調べても、やはり宇宙は加速度的に膨張していることが判りました。1998年、わずか10数年前のことです。

(2)それまでは、宇宙は膨張していても次第に膨張速度が弱まり、やがて平衡するか、あるいは緩やかな収縮に向かうのでは、と考えられていました。ところが宇宙が膨張する速度は、年月の経過とともに大きくなっているわけです。

(3)宇宙が加速度的に膨張している事実を説明するためには、未知の巨大なエネルギーが宇宙に隠れていることを想定せざるを得なくなります。未知のエネルギーのため「ダークエネルギー」(あるいは暗黒エネルギー)と呼ばれていますが、その正体は全く謎の状態です。
「ダークエネルギー」については後述いたします。



# by jiriki-tachikawa | 2014-02-27 14:19 | 不思議メールマガジン

[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第4号


[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第4号

第1章 宇宙の不思議

[1-2] 銀河の姿

(1)太陽系は「天の川銀河」に属しています。  
天の川銀河は、1000億個以上の恒星と星雲が集まった巨大な天体です。単に「銀河系」と呼ぶこともあります。

(2)外側から見ると、渦巻き模様をもつ美しい円盤状の天体です。太陽系は天の川銀河の中心ではなく、むしろ外縁寄りに位置しています。

(3)天の川銀河の直径は10万光年、厚さは周辺部で0.2万光年、中心部で1.5万光年と言われています。目玉焼きのように中央部が丸く盛り上がり星々が密集しています。

(4)渦巻き模様は、恒星や星雲の密度の濃淡で描き出されています。天の川銀河の中心部や渦巻きの腕の部分には、新しい星が今なお活発に生まれている場所があります。

(5)地上から肉眼で見える星の多くは天の川銀河に所属している星々です。太陽系自身が天の川銀河の一部であり地球からの距離が近いからです。

(6)地上から見ると天の川が星空を大きく横切って流れているように見えますが、最近になってようやくその全体像が分かりつつある段階です。そして細部については解らないことが沢山あるようです。なお、天の川銀河の中心には巨大なブラックホールが存在することが解ってきています。

(7)天の川銀河の外側に別の銀河があることが判ったのは1923年です。アンドロメダ銀河はそれまで銀河系の内部にあると思われていましたが、天の川銀河の外側にあることが判りました。太陽からアンドロメダ銀河までの距離は、約230万光年です。

(8)それ以降、宇宙には銀河が数え切れないほど多数存在していることが判ってきました。そして天の川銀河はそれらの中でも典型的な(平均的な)銀河と考えて良いようです。もちろん銀河の大きさや形はさまざまです。
天の川銀河の100倍以上の大きな銀河もあるし、100分の1以下の銀河もあります。形も、渦巻き状や楕円体やレンズ状や不規則な形まで様々です。

(9)銀河が宇宙にどのくらい存在するのかはよく判っていません。しかし少なくとも1000億個以上の銀河が存在すると推測されているようです。


<注目!>

(1)太陽から天の川銀河の中心までの距離は2万6000光年です。太陽から一番近い恒星は、ケンタウルス座のプロキシマ星でわずか4.2光年、また全天で最も明るく輝いているシリウスは8.6光年です。太陽から100光年以内には約2500個の恒星があるようです。近いですからもちろん銀河系の恒星たちです。

(2)一方、太陽から見て遠い天体は、数億光年から数十億光年離れたものも多く、100億光年以上の遠い天体もあります。当然ですが、100億光離れた天体の光は、100億年前の天体の状態を示しています。
ちなみに、宇宙の年齢は138億歳です。


[1-3] 銀河のなりたち

恒星の誕生、惑星の誕生、銀河の誕生、銀河同士の衝突・成長、これらは全て重力の働きによって、物質同士が引き合って集まる作用が原動力になっています。


1.恒星の誕生

(1)宇宙空間には、希薄ながらガスやチリなどの星間物質が漂っています。これらの拡がりは一様ではなくムラがあるため、濃い部分は重力作用で収縮し、周りから他のガスやチリを集めて次第に濃度、密度が大きくなっていきます。

(2)数千万年という長い時間の経過とともに凝集が進み、密度が高くなり、内部温度が上昇してくると、高温のため光を発するようになって「原始星」になります。そして更に大きく成長して、内部温度が超高温になると核融合反応が始まり「恒星」として明るく永く輝き始めます。

2.惑星の誕生

原始太陽ができるときは、同時にその周囲にガスとチリが円盤状に集まっていることが多いようです。この円盤状に拡がるガスとチリが次第に凝集して、衝突と合体を繰り返して大きくなっていきます。まず微惑星になり、これらが衝突と合体を繰り返して原始惑星になり、さらに大きくなって惑星に成長していきます。これも重力による引力の作用に基づいています。

3.銀河の誕生

ガスやチリなどの星間物質が大量にあり、かつ広範に拡がっている場合は、同時並行的に複数の恒星が誕生し、それらがお互いに作用しあってバラバラでなく集団で行動するようになります。そしてそれらが複数集まることで次第に銀河が形成されていくようです。

4.銀河の成長

宇宙空間に多数の銀河が浮遊するようになると、銀河同志が近い場合、お互いに重力を作用し合って次第に銀河が接近し衝突するようになります。銀河が衝突・合体を繰り返し、形や大きさも変えて成長・変化していきます。


<注目!>

(1)我々の天の川銀河とアンドロメダ銀河の間はとても近く、その距離は230万光年です。お互いに重力を作用し合って今も接近を続けています。その接近速度は秒速275Kmという猛速度ですから、いずれは衝突するようです。
ただし数十億年後のことです。ご安心を!

(2)宇宙では、銀河どうしの衝突が頻繁に起きているようです。ただし、銀河が衝突しても、個々の恒星や惑星が直接衝突する可能性は小さいようです。銀河の内側はほとんどが空間であり、スカスカ状態のためです。しかし全体としての銀河の形、姿は重力の相互作用によって大きく変化します。



# by jiriki-tachikawa | 2014-02-27 14:13 | 不思議メールマガジン

[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第3号

[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第3号

第1章 宇宙の不思議

[1-1] 太陽系の姿 


2.惑星

(1)8個の惑星が太陽の周りを公転(太陽の周りを周回)しています。太陽から近い順番に:

 水星(0.39)、金星(0.72)、地球(1)、火星(1.52)
 木星(5.2)、土星(9.6)、
天王星(19.2)、海王星(30.1)

(2)括弧内の数値は、太陽との間の距離を示しています。太陽と地球との距離を1としたときの相対値です。なお、太陽と地球の距離は約1億5千万kmであり、光の速度でも8分20秒ほどかかります。

(3)太陽に近い惑星ほど速く公転し、遠い惑星ほどゆっくり公転しています。 ケプラーの法則と呼んでいます。

(4)惑星は構造面から下記のように大別されます。

〇地球型惑星 :岩石や鉄などが主体
――水星・金星・地球・火星
〇木星型惑星 :ガスが主体――木星・土星
〇天王星型惑星:氷が主体――天王星・海王星


3.小惑星

主として火星と木星の間に30万個以上浮遊している様々な岩塊を小惑星と呼びます。500m程度の小さなものまで含めると160万個になるとも推測されています。

<注目!>

(1)2005年9月、日本の探査船「はやぶさ」が降下、着陸して鮮明な画像を地球に送ってきたのは小惑星「いとかわ」からでした。「はやぶさ」は資料サンプルを採取し、その後数々のトラブルに遭遇して満身創痍になりながらも、2010年6月に地球へ帰還し資料サンプルを持ち帰りました。

(2)小惑星が地球に衝突する頻度と影響はおおよそ下記の通りです。
〇直径1~10mの小惑星は10日に一度程度衝突しますが、ほとんど大気圏で燃え尽きます。
〇直径50~100mは1000年に一度程度ですが、地上に直径数kmの大クレーターを作ります。
〇直径1km以上の小惑星が衝突すると、巨大クレーターができるだけでなく、舞い上がった塵埃により気候大変動が発生します。

(3)およそ6550年前に直径10kmの小惑星がメキシコのユカタン半島近傍に落下した際は、気候の激変が発生し、恐竜をはじめ多くの生物が絶滅しました。

  
4.準惑星

冥王星、エリス、マケマケ、ハウメアなどを準惑星と呼び、惑星とは区別しています。

<注目!>

(1)今まで冥王星は9番目の惑星として位置付けられていましたが、冥王星よりも大きなエリスが発見されたことを契機に、惑星の必要条件が議論されました。そして2006年に冥王星は惑星から準惑星に格下げになりました。
惑星の暗記略語「水金地火木土天海冥」から最後の「冥」を取りましょう!

(2)実は海王星の外側には、EK(エッジワース・カイパー)ベルトと呼ばれる領域があり、惑星になれなかった微惑星が多数存在していることが判りました。これらを「太陽系外縁天体」と呼ぶこともあります。冥王星はその中ではトップクラスなのですが、大きさは月の半分以下と小さく、また太陽の周囲を回る公転軌道面も他の惑星に比較して大分傾いています。


5.彗星

(1)彗星も太陽系の一員であり、太陽の周囲を回っています。軌道が細長いものが多く、太陽に近づくにつれ太陽の熱で表面の氷が蒸発して明るく輝いて見えるようになります。しばしば長い尾をひきます。
公転周期が短い(20年未満)彗星は、EK(エッジワース・カイパー)ベルトで生まれるものが多いようです。

(2)一方、EKベルトの更に外側にも「彗星の故郷」と言われる領域が発見されました。「オールトの雲」と呼ばれ太陽系全体を大きく包み込むように存在していることが知られています。
公転周期が長い(200年以上)彗星は、「オールトの雲」を起源とするものが多いようです。

<トピックス!>

(1)2013年11月末に太陽近傍で分解・消滅したアイソン彗星もオールトの雲からスタートしたと考えられています。久方ぶりに肉眼でハッキリした彗星の尾を見られる可能性があったため期待されていましたが大変残念なことでした。

(2)彗星は、太陽系が誕生した当時の成分を閉じ込めたままの、言わば化石的な意味をもつ天体であると言われています。彗星を追尾して着陸を狙う人工衛星も打ち上げられています。彗星の成分を調査することができれば「生命起源の解明」に結びつく可能性があります。


6.衛星

月のように自分より大きな惑星の周りを回る天体です。地球の衛星は月1個だけですが、火星は2個、木星は63個、土星も63個、天王星は27個、海王星は13個衛星を持っています。太陽に近い水星と金星には衛星はありません。


7.流星

(1)太陽系に漂う小さなチリや岩石が地球の引力によって引寄せられ、地球大気との摩擦でガスとなって光ったり燃えたりするのが流星(流れ星)です。燃え尽きずに地表に落下したものが「隕石」です。

(2)なお、彗星が通過した軌道跡には、彗星から放出されたチリが多数浮遊しています。地球がその軌道跡を通過する際、チリが次々と大気圏に突入して流星群になります。毎年11月中旬ころに見られる「しし座流星群」は、「テンペル・タットル彗星」の軌道跡と通過する際に現われます。


以上のように、観測技術の進歩により太陽系全体の拡がりは次第に大きくなってきており、その直径はオールトの雲を含めるとおよそ1光年以上(光の速度で1年かかる距離)と言われています。


[補足]

(1)人間のような知的生命体が住める環境を、「ハビタブルゾーン」と呼んでいます。超簡単に言えば液体の水が存在する領域と言っても良いと思います。太陽から近すぎると、水は高温のため蒸発してしまい液体の水は存在できなくなります。逆に遠すぎると温度が低過ぎて氷になってしまい知的生命体の生存は無理です。

(2)太陽系の惑星の中では、地球と火星だけがハビタブルゾーンに入っていると言われています。
ただし、火星にはかつて水が流れた痕跡はありますが、現在でも液体の水があるかどうか不明です。氷はあるようです。

(3)なお細菌類など原始的な生命体は、ハビタブルゾーン以外でも生息できると考えられており、小惑星や木星の衛星などで生命体探測が行われ始めています。
生命は何処から来たのか? 地球外生命体はいるのか? に関しては、後の章であらためて取上げる予定です。



# by jiriki-tachikawa | 2014-01-30 00:00 | 不思議メールマガジン

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