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[宇宙の不思議・いのちの不思議]  第13号


[宇宙の不思議・いのちの不思議]  第13号


第2章 ミクロの世界の不思議

[2-2] 物質の根源は?   

1.物質の根源は原子?

万物の根源については、古代から多くの哲人によって思索が続けられてきました。ギリシャ時代のプラトンやアリストテレスの哲学は、後世の西欧文明に多大な影響を与えました。そのアリストテレスは、四大元素説を唱え、万物は「火、空気、水、土」から成ると考え、また霊魂について論じています。

デモクリトスは、同じギリシャ時代に既に「原子」(アトム)という概念を論じていますが、当時としては斬新過ぎて受け入れらなかったようです。

時が経ち19世紀後半から20世紀前半にかけて、万物の根源が少しずつ解かり始めてきました。分子や原子などです。
私が小学校のころ1950年前後の一般の本には、全ての物質は「原子」で出来ていると載っていました。さらに、「原子」は、中心に位置する原子核と、その周囲を飛び回る電子から構成され、原子核は陽子と中性子から構成されると書いてありました。
すなわち万物は、「陽子と中性子と電子」のたった3種類の基本粒子から構成されていることになります。極めて単純で明快で美しい理論でした。

そして原子の中の陽子の数に対応して元素名がつけられました。陽子1個の原子は水素、陽子2個の原子はヘリウム、・・・6個なら炭素、7個なら窒素、8個なら酸素、・・・、陽子92個ならウラン、などです。


2.クォークの登場

(1)20世紀半ばを過ぎると、宇宙線の観測や、人工的な粒子加速器実験によって、陽子や中性子や電子以外にも様々な微小粒子が発見されるようになりました。

(2)そして1960年代になると、陽子や中性子は素粒子ではなく、それ自体が複数の別の粒子から構成されていることが判ってきました。その別の粒子は「クォーク」と呼ばれており、6種類のクォークが発見されています。クォークが6種類あることを予言したのは、前述の小林誠博士、益川敏英博士です。

(3)陽子も中性子も3個のクォークから構成されていることが判ってきました。陽子は2個のアップクォークと1個のダウンクォークから構成され、中性子は1個のアップクォークと2個のダウンクォークから構成されています。

(4)走査型電子顕微鏡を使うと原子の配列を見ることができますが、原子1個だけを見ることはできません。当然、原子の中の原子核や電子を見ることはできません。ましてや、原子核の中で3個のクォークが結びついている様子を実際に見た人は誰ひとりいません。量子論に限らず科学は、その時点における仮説の集合に過ぎません。


3.素粒子の標準モデル

これ以上砕くことができない微粒子、すなわち物質を構成する最も基本的な粒子を「素粒子」と呼びますが、素粒子の候補は今までに多数発見されています。そしてこれらを整理・分類した「標準モデル」と呼ばれる素粒子リストがあります。これが現代における「万物の根源」に相当することになります。ただし、残念ながら今まだ現在進行形です。言い換えると、21世紀の現代においても、万物の根源は完全に解明されてはいないのです。

素粒子の「標準モデル」を大別すると、物質を構成する素粒子12種類と、力を伝達する素粒子4種類、そして質量を生み出す素粒子1種類に分類されます。


[素粒子の標準モデル]

(1)物質を構成する素粒子 
1.1クォークの仲間:  6種類(アップクォーク、
ダウンクォークなど)
 1.2電子の仲間:    3種類
 1.3ニュートリノの仲間:3種類

(2)力を伝達する素粒子
 2.1電磁気力を伝える素粒子: 光子(フォトン)
 2.2弱い核力を伝える素粒子: ウィークボソン
 2.3強い核力を伝える素粒子: グルーオン
 2.4重力を伝える素粒子:   重力子(未発見)

(3)万物に質量をあたえる素粒子
 3.1ヒッグス粒子: 2013年に発見されたばかりです。

以上の素粒子を合計すると17種類になります。しかし、これらは基本の素粒子であり、これらの他に反粒子と呼ばれる影武者的な素粒子もあります。
以下、順番に簡単な説明を加えます。


4.物質を構成する素粒子   

(1)物質を構成する素粒子は全部で12種類ありますが、その中の主役はクォークと電子です。原子核は陽子と中性子で構成されますが、両方ともクォークで出来ています。結局、物質はクォークと電子で構成されていることになります。その他の素粒子のほとんどは寿命が短いため、永く存在できません。粒子加速器実験や宇宙での衝突によって短時間だけ現われ直ぐに消えてしまいます。

(2)ニュートリノは、太陽はじめ様々な天体から常時大量に放出されていますが、極微のため人体も地球もすり抜けてしまいます。当初、重さゼロと考えられていましたが、最近僅かに重さがあることが判ってきました。地球上では、太陽からのニュートリノだけでも毎秒660億個ほど通り抜けているという計算結果もあります。
放射性物質が、ベータ線を出して崩壊するときにも、一緒にニュートリノが放出されます。


5.力を伝達する素粒子 

素粒子が存在しても、それらに「力」が作用しなければ、素粒子どうしが集まって原子核や原子などの物質を構成することができません。
自然界には様々な力が働いていますが、整理すると以下のたった4種類の力だけになると言われています。
(1)電磁気力
(2)弱い核力
(3)強い核力
(4)重力

普段私たちが実感できる力は、(1)電磁気力と(4)重力だけです。(2)弱い核力と(3)強い核力は、原子核の内部だけで働く力なので、私たちが直接感じることはできません。

力を伝達する素粒子というのはイメージが湧き難いかと思います。素粒子の「標準理論」は、これらの力が発生するしくみを説明しています。これらの力は、それぞれに対応した「力を伝達する素粒子をやりとり」(キャッチボール)することによって生ずると考えます。なお、力=相互作用と考えます。
「力を伝達する素粒子の授受」によって粒子間に働く力を説明したのは、1934年の湯川秀樹博士の「核力」の理論から始まりました。


(1)電磁気力

(a)電磁気力は原子や分子を形作る重要な力です。プラス電気を帯びる原子核と、マイナス電気を持つ電子が、電気的にバランスすることによって原子が成立します。

(b)朝永信一郎博士は、電磁気力を光子(フォトン)の授受で説明する理論により、1965年ノーベル物理学賞を受賞しています。
電磁気力は、電気と磁気による相互作用です。例えば、+の電気と-の電気の間に引力が働きますね。+と+、-と-の電気の間には反発力が働きます。これらは相互作用すなわち力です。

(c)電気の実体は電子です。電子は絶えず表面で光子を出し入れしていると考えます。電子Aの近くにたまたま電子Bがいたときに、電子Aの出した光子を電子Bが受け取ると、作用反作用によってA~B間に反発力が働きます。

(d)例えば、滑らかな氷上で2人が向き合ってキャッチボールをしているとします。ピッチャーが球を投げると、反作用によってピッチャーはボールと反対方向へ僅かですが後退します。キャッチャーが球を受け取るとキャッチャーも僅かに後退する筈です。ボールの授受をすると、作用反作用の法則によって結果的にお互いが遠ざかります。すなわち、ピッチャーとキャッチャーの間に反発力が働いたことになります。

(e)2個の電子同士でも同じです。双方で光子の授受があれば反発力が生じます。電子同士が接近するほど光子の授受が増えるので反発力も大きくなります。

(2)弱い核力

原子の崩壊を引き起こす力です。その強さは電磁気力の1000分の1ほどです。
不安定な原子(放射性物質)は、弱い核力によって自ら崩壊して、放射線(ベータ線とニュートリノ)を出します。福島第一原発事故で話題になったセシウム137なども放射性物質であり、弱い核力によって絶えず放射線を放出しています。

(3)強い核力

陽子や中性子などの中で、クォーク同士に働いている力を強い核力と呼んでいます。電磁気力の100倍ほどの強さです。
原子核の中でプラス電気をもつ陽子や中性子がバラバラにならずに原子核が維持されていることは以前から大きな謎でした。湯川秀樹博士はその理由を、「中間子」の授受による「核力」によって説明し、中間子の存在を予言しました。そして1947年、宇宙線の中から実際にパイ中間子が発見され、1949年日本人で初めてノーベル賞(物理学賞)を受賞しました。

(4)重力

重力を量子論によって説明しようと長年努力が続けられてきましたが成功していません。重力は量子論の範囲外に留まっています。取り敢えず重力を伝える素粒子を「重力子」(グラビトン)と呼んでいますが実際には未観測、未発見です。


6.ヒッグス粒子

ヒッグス粒子は、宇宙空間のいたるところに満ちており、物質の重さ(質量)を生み出す源と考えられています。素粒子が移動する際にヒッグス粒子と頻繁に衝突するために抵抗を受けて動きにくくなります。その抵抗がその素粒子の質量になると考えられています。


<トピックス>

ヒッグス粒子は、1964年にピーターヒッグス博士らによって仮説として提唱されました。2012年7月、実験によって「ヒッグス粒子と見られる新粒子が発見された!」との第1報が報じられました。その後データ集積と慎重な確認作業が続けられヒッグス粒子の存在が確認されました。2013年秋、異例のスピードでヒッグス博士らにノーベル物理学賞が贈られました。
なお、ヒッグス博士らの仮説は、南部陽一郎博士の「自発的対称性の破れ」という重要な理論がその大元になっています。


<私見>

私は、自然界に働く「力」は4つだけではないと考えています。物理学の専門家でもない者が何を言うのかと驚かれると思いますが、物理学者がこの宇宙の全てを知り、感じ、思索しているわけではないと思います。

私は5番目の力として、「意識によって生ずる力」があると思っています。この力は「気(エネルギー)」と大きく関わっています。意識は気(エネルギー)を伴うと考えています。そう考えないと説明できない事象がとても多いからです。第5章であらためてご説明する予定です。
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by jiriki-tachikawa | 2014-06-19 00:00 | 不思議メールマガジン

[宇宙の不思議・いのちの不思議]  第12号


[宇宙の不思議・いのちの不思議]  第12号

第2章 ミクロの世界の不思議

[2-1] 量子論とは?

(1)原子より小さなミクロの世界を探求する物理学を「量子論」と呼んでいます。量子力学と呼ばれることもあります。量子とは、極微のツブ(かたまり)という意味あいです。原子以下の小さな粒子を量子と呼んでいます。原子や電子や素粒子などが量子です。
素粒子とは、それ以上分解できない粒子のことを言います。電子をさらに細かく分解することはできないので電子も素粒子のひとつです。

(2)量子論は、相対性理論と並んで、現代物理学の双璧といわれており、最重要な理論といってよいと思います。
相対性理論は、我々の感覚や常識から懸け離れたところがあって理解し難い理論ですが、量子論はさらに輪をかけて解かり難い理論です。ミクロの世界にはそれだけ不思議が満ちているということでもあります。
アインシュタインでさえ量子論について悩み続けたと言われています。したがってここでは超簡単にあらましだけを述べていきます。

(3)量子論には、柱になるいくつかの重要な理論があり、それらをまとめて「標準理論」と呼んでいます。本メールマガジンではその中身の説明は省略し、それらの結果を簡単にご紹介いたします。

(4)量子論によって、万物の根源が解き明かされつつあります。そして「物質」を構成する素粒子がいくつも発見されてきています。電子や光子もそれらの一つです。
また、物質の内部や、物質どうしの間に働く「力」の根源も解き明かされつつあります。電磁気力もその一つです。

(5)私たちが生活する上でのスケールは、長さでいえば、cm、m、kmで測れる長さが普通かと思います。重さでいえば、g、kg、ton などではないでようか。
私たちは、これら中程度のスケールの中で暮らし、そのスケールでの感覚と常識が積み重なって生きています。

(6)一方、宇宙を考える場合の距離のスケールは、桁外れに巨大なスケール「光年」が使われます。1光年は、光の速度で1年かかる距離、約9.46x10の15乗mです。15乗は、数字の後に0を15個付け足すことを意味します。
また、原子以下の小さなミクロの世界では、10のマイナス15乗mとかマイナス30乗mとか桁外れに小さな極微のスケールになってしまい、私たちの感覚と常識から懸け離れています。

(7)巨大スケールと中程度スケールの物理学では、相対性理論が使用され、極微スケールでは、量子論が使われます。なお、中程度のスケールでは、ニュートン力学が簡単で使い易いため、実用上誤差が気にならない範囲で多用されています。

(8)本来は、スケールによって理論を使い分けるのではなく、全てのスケールをカバーする「究極の理論」の構築が必要であり、現代物理学の大きな目標になっています。
なお、巨大スケールや中程度スケールにおいても、物質は全て原子や素粒子でできていますから、量子論は全てのスケールで成り立つ必要があります。

(9)原子の構造は、太陽と惑星の関係のように、中心の原子核の周囲を電子がくるくると周回しているイメージをお持ちの方が多いと思います。昔は学校でそのように習いました。しかし量子論の成果によると、電子は原子核の周囲に拡がる波であって、球状の雲のように拡がって振動しています。電子そのものを見ることはできません。
そしてその波を表す「波動方程式」を解くことによって原子や分子の性質や構造を正確に計算することができます。

(10)コンピュータやスマートフォンなどに不可欠な半導体などは量子論の成果を応用して著しく進歩してきました。
また、医薬品、化粧品、繊維など様々な化学製品の研究・解析・開発に量子論が大いに役立っています。膨大な費用をかけて沢山の数の実験をしなくても、量子論に基づいた計算から、様々な分子どうしがどのような反応を起こすのか予測できるようになってきました。

(11)量子論の原理を応用した「量子コンピュータ」の研究が行われています。実用化には時間がかかりますが、現在最先端のスーパーコンピューでも何億年もかかる計算をあっという間に解ける可能性があると言われています。


<注目!>

量子論の分野では日本人科学者が大活躍をしています。
量子論を切り拓いてきたといっても過言ではありません。
事実、この分野で多数のノーベル賞受賞者を輩出しています。
ノーベル物理学賞を受賞した科学者として、湯川秀樹博士、朝永振一郎博士、江崎玲於奈博士、小柴昌俊博士、南部陽一郎博士、小林誠博士、益川敏英博士などです。また福井謙一博士は、量子化学の分野でノーベル化学賞を受賞しています。もちろんノーベル賞受賞者以外にも多くの優秀な日本人研究者が世界中で活躍しています。


<補足>

原子の大きさは、1000万分の1mm程度です。その中の原子核の大きさは、その5桁下であり、1兆分の1mm程度です。なお電子の大きさは、さらに4桁下の大きさです。

原子を地球の大きさに例えると、原子核は東京ドーム程度、電子は野球のボール程度の大きさに相当します。実際には電子は見えません。電子の波が振動しながら地球サイズに拡がっています。原子の中はスカスカの状態であり、空間(原子の場)がほとんどを占めています。

スカスカな筈なのに石や金属に触ると固く感じるのは、物の表面の原子が反発するからです。原子の外側はマイナスの電気を帯びた電子の雲で覆われているので、お互いにマイナス電気で反発することによって跳ね返され固く感じると考えられています。
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by jiriki-tachikawa | 2014-06-05 07:30 | 不思議メールマガジン

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