[大宇宙のしくみが解かってきた!「応用編」] 第34号
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第5章 新たな価値観の展開
5-6.日本が模索すべきこと <理想論>
ここから先は、私の理想論です。しかし決して不可能ではないと考えます。「和・真・善・美・律」の価値観が世界に浸透すればそれに沿う形で、時間はかかっても実現できると考えます。
私の奇想天外な夢物語にもう少しだけお付き合いくださいませ。
(1)「格差是正基金」と「富裕税」 :格差対策
「和」と「善」の精神に基づき、多額な財産を寄付する人は尊敬され、巨額財産を継続私有する人には疑問符が付けられるような、新たな考え方の普及を目指します。たくさん持っている人が富者ではなく、他者にたくさん与えることのできる人が「真の富者」であり、持っていても与えることができない人は、実は心の貧者であると考えます。
具体的には「格差是正基金」と「富裕税」を創設します。カネ・モノはあの世へ持っていくことはできませんから。
例えば、年俸3,000万円以上の高所得者、あるいは数億円以上の高額資産家に対して、その余剰金を自発的に「格差是正基金」に寄付するように促がします。また自発的に寄付を行わない富者に対しては、例えば最大80%の「富裕税」を課税します。「格差是正基金」への寄付と「富裕税」は、貧者の最低保証と再チャレンジのために活用します。
「格差是正基金」は毎年、高額寄付者、高額納税者、高額所得者、高額資産家などを公表します。富者は自らの意思に基づいて、従来ベースの慈善団体などに寄付をするか、「格差是正基金」へ寄付をするか、「富裕税」を納税するか選択することになります。企業に対しても同様に考えます。
(2)「過密地域税」 :過密・過疎対策
都市部、特に東京周辺に人口が集中し、地方は過疎化が急激に進行しています。過疎化にともない地方での高齢化と荒廃が進んでいます。一方都会では、待機児童の増加に代表される過密問題が深刻です。
この過密と過疎問題、そして人口減少問題を早期に解決するために、「過密地域税」の創設を検討すべきと思います。「過密地域税」は、地方または外国から過密地域に異動する際に一定期間徴収されます。もともと過密地域に住んでいる住民にも住民税に上乗せされて相応の「過密地域税」が課税されます。
「過密地域税」によって得られる財源は、過疎地における雇用創出、起業支援、子育て世代の優遇策、保育・教育環境の整備など、過疎地の魅力を引き上げて、過疎地の人口流入を取り戻すために活用します。そして人口増加のための施策にも使用します。
(3)所有の制限 :格差対策、安全保障対策
様々な競争・紛争の根源は、個人や企業が「財産」などの「所有権」を持つことができるからであると思われます。私有できれば、少しでも増やしたいというのが人間の本能でしょう。したがって「所有権」に制約を設ける必要があると考えます。
「土地」は、本来国民の共有資産であり、国家のものであると考え、基本的には個人や企業は私有できないことにすべきと思います。個人や企業には「借用権」しか与えないことになります。現実にそのような国家も少なくないと思います。
今、日本中に「空き家」が増加しています。世帯交代などによって生ずる無人の家が近隣の環境問題になっています。住む人が居ない家・土地の所有権を国家に戻すことにより、環境問題や財政改善につなげることができます。もちろん憲法改正を含む大改革になりますが。
今、密かに日本のあちこちの土地が外国資本に買収されつつあります。これを悪用されないという保証はありません。気が付いた時は既に手遅れかも知れません。安全保障上からも極めて憂慮されます。
この考え方を世界に拡張すると、地球上の全ての陸地も海洋も地下資源も、国家のものではなく、人類の共有資産であると考えることになります。そして次項の「地球回復税」につながっていきます。
(4)生涯現役: 労働力不足対策
人口減に伴い若い労働力の不足が深刻化しています。会社の定年は平均して60歳前後ですが、多くの場合、健康でさえあれば70歳以上まで十分に働けます。経験・知識が豊富な熟年者を活用しないのは極めて勿体ないと思います。定年退職後も生き生きと働ける場が用意されれば、熟年者の健康が維持され、健康寿命が延び、生きがいを取り戻すことにもつながります。
地域ごとに「シルバー人材センター」などが設置されて熟年者の一部が既に働いていますが、国レベルで熟年者を広範に活用するシステムを作っていくべきと思います。熟年者の能力の幅はとても広く、頭脳労働はもとより、筋肉労働を好む熟年者も少なくないと思われます。今や、ロボットスーツを着用すれば力仕事でさえ楽々できます。幼児の保育分野で、保母ならぬ保爺・保婆もあり得ます。子供たちと遊ぶことさえ社会貢献になります。政府からの補助金を適切に按分することで生涯現役の熟年者が増え、労働力不足対策の一環にもなると思われます。
5-7.世界に関して模索すべきこと <超理想論>
超理想論ではありますが、「和・真・善・美・律」の考え方が世界に広まり尊重されていけば決して不可能ではないと考えます。逆に価値観の転換が行われなければ、根本的な難問はほとんど何も解決されないのではないでしょうか。
(1)国連の大改革 :紛争対策、地球環境悪化対策
現在の国連は、重要な改革は何もできていないと言っても過言ではありません。その元凶は安全保障常任理事国、すなわち、米・英・仏・露・中の五か国です。1国でも反対すれば何も決めることができません。したがってこれを改革しなければ何も変わりません。
この改革は簡単ではありません。五か国は頑強に抵抗を試みるでしょう。しかし不可能ではありません。「和」の精神が世界中に普及していけば、改革の方向に進展する筈です。そもそも70年以上前の第2次世界大戦の戦勝国が、未だに権利をむさぼっているのは、五か国のエゴそのものであり、世界をリードする資格は全くないと考えます。
「あまりにも恥ずかし過ぎる米・英・仏・露・中の五か国!」を世界中にアピールすれば次第に変わっていく可能性があると考えます。
(2)「不満」の総和を最小にする :紛争対策
一つの国の中で、民族や宗教や言語などが入り組んでいることが良くあります。ある地域に独立機運が高まったとき、その地域の過半数が独立志向である場合は、認める方向で話し合うべきでしょう。国の側から見れば、国の領土が小さくなり権益も失われるので、従来の価値観からすれば独立反対が数の上では多数を占めます。しかしそれでは「不満」は減りません。それが紛争・内戦の引き金になってしまいます。
国全体としての意向ではなく、当該地域の意向が優先されるべきです。当該地域の「不満」の総和を最小にすることを志向すべきです。それが「和」を尊重する考えであり、それに頑なに反対、拒否する国家は、「和」に関する評価が大幅に低下することになります。
(3)「膨張国家は悪である」 :資源収奪対策、紛争対策
大きな国家ほど内部不満が大きくなる筈です。内部の「不満」の総和を最小にすることを考えると、大きな国家は存続が困難になる筈です。したがって「国が大きいことは良くないことだ!」、「膨張志向の国は悪である」という価値観を普及させる必要があります。
中国内部では現状でさえ様々な不平不満が噴出し、陳情が頻発し、暴動が日常茶飯に起きています。その結果、「力」で鎮圧しようとし、不満と恨みと悲劇が拡大しています。その上さらに、台湾、南シナ海、東シナ海、沖縄、西太平洋にまで領域を増やそうとしています。この場合、「和」に関する評価結果が大きなマイナスになり、不名誉な評価になります。
(4)「地球回復税」 :地球環境悪化対策
地球上の全ての陸地も海洋も地下資源も、国家のものではなく、本来は人類の共有資産であると考えます。その考えに立った場合、各国は、国内、領域内の管理を行い、その面積・人口などに応じて「地球回復税」を支払って世界でプールする制度を作ります。
「地球回復税」は国連その他の世界機関が管理して、地球環境の改善・維持や、増加する難民対策などに資するものとします。大きな国土と大きな人口は、国力の源泉であると同時に、莫大な「地球回復税」を支払うという相克になります。いたずらに領土を拡大しようとする意欲が削がれ、結果として悲劇と紛争が減少する筈です。
(5)「経済のグローバル化」への合理的制約 :格差対策
先鋭化した資本主義や行き過ぎた経済のグローバル化は、格差や貧困、経済不安定化などをもたらします。これを抑制するために、何がしかの合理的制限を設ける必要があります。
先ず、「経済のグローバル化」が人々の幸福に寄与しているのか厳密に吟味する必要があります。巨利を貪っているのは、主として国際金融資本を中心とする一部の勢力・資本家や、モンスター的な巨大多国籍企業だけではないのか、十分に検証する必要があります。
そして国境を越えるカネ、ヒト、物の流れに対して、何らかの合理的制約を設けるべきと思います。関税を一律に撤廃したら、一般論として強者だけが利益を独占し、他は敗者となり地域の独自性などが全く生かされなくなり、不幸の総和が最大化していきます。
「和」の精神に基づき、より多くの人々が恩恵を受けられるような共栄型の経済システムに変えていくべきと思います。
「和」の精神の普及は、ゆっくりですが世界を変革する「力」を持っていると思われませんでしょうか? それとも他に、もっと効果的な良案がありますでしょうか?
武力や強権政治などのハードパワーよりも、精神的な向上を目指すソフトパワーの力はより大きいと考えます。
富士健康クラブ
関口 素男
sekiguchi.m@ozzio.jp
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