[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第48号
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第6章 まとめ
[6-4] 真理究明の手法
1.「科学の手法」と「共感の手法」
真理を究明する方法はいろいろありますが、2つに大別して考えることができます。
ひとつは「科学の手法」です。
現象を観察し、分析し、推論し、仮説を立てて、実証していく「科学の手法」は、物質とその現象の究明に対して大成功してきました。頭脳をフル回転させ、実験を重ねて、理詰めで解決していく手法です。
「科学の手法」の特徴は、分析的、解析的であり、際限なく細部を探求していきます。しかし限界があり、かえって全体が見えなくなる欠点があります。現代科学のように、物質の究明が進んで素粒子のミクロの世界に至ると、今までの概念が通用しなくなり先に進め難くなってしまうのです。さらに、対象が非物質の場合は、「科学の手法」はなかなか通用しません。観察も実証も容易ではないからです。
もうひとつは、「共感の手法」です。
リラックスして頭をカラッポにして、真理と共感、共鳴する手法です。瞑想や座禅や気功などがこれにあたります。お釈迦様が悟りを開いたのもこの方法です。
頭脳をフル回転させるのでなく、むしろ頭脳を休めて意識の拡がりを待ちます。そして「気の海」の意識と共鳴していきます。「叡智」とつながることで、いわゆる「悟り」を開く可能性もあります。
「共感の手法」の特徴は、包括的、全体的、総合的な真理の把握です。心、意識、気、いのちなど非物質に関わる真理や、物質と非物質の境界領域では「共感の手法」が役立つことがあります。
実際には、「科学の手法」と「共感の手法」を二者択一するのでなく、両方を組み合わせることが出来ればベストと思います。それぞれの短所を補い合えるからです。
2.からだを使う「体験」
私の仮説のいくつかは、「共感の手法」によってヒントを得ています。
私の場合は、瞑想や座禅ではなく、「気功」を多用しています。具体的な方法は、気功法、呼吸法、太極拳、イメージトレーニング、自力整体などです。
とりわけ「歩きながら行う気功」が役立ってきました。「歩きながら行う気功」は足腰だけでなく、上半身や内臓も動員して、からだ中の気の循環を高めていきます。健康効果だけでなく、「気の海」とつながり易くなるように感じています。
拙書「ガンにならない歩き方」(本・電子書籍)をご参照ください。
実は、「真理」を追求する上でも、頭脳を使うだけでなく、からだを動かして「体験」することがとても重要と思います。人間は「動物」であり、からだを動かすことを前提にして設計されているのです。
人間は泳げる人と泳げない人に分けられます。上手に泳げる人はからだを使い、泳いでいる間、頭脳はあまり使いません。上手に水泳ができるようになると、大げさに言えば世界観が拡がります。からだを使った気持ち良さや、爽やかさを実感することができます。海中の珍しい動植物を眼のあたりにして感動することができます。今まで気づかなかった感覚、感性が磨かれていきます。次第に意識が拡がる場合もあり得ます。
一方、水泳の本を買ってきて、泳ぎ方のコツを読んで頭脳をフル回転させても、理詰めだけで泳げる人は少ないでしょう。実際にからだを使う方法と、体験せずに頭脳だけを使う方法とでは結果に大きな相違があります。からだを使うと「人間の総合機能」を引出し易くなります。からだを使って経験を積み重ねる方法と、頭脳だけに頼る方法とでは根本的な大きな差があります。
気功法、呼吸法、太極拳、イメージトレーニング、自力整体なども、からだを使い、「気」の流れを活性化させます。継続していると、見えない働きを感じるようなります。今まで気付かなかった様々な現象に驚愕し、また様々な不思議に遭遇します。今までの世界観が如何に狭小であったか思い知らされます。
宇宙の不思議を読み解く場合も、多くの科学者は頭脳を使って理詰めで追及しようとします。しかし限界があります。現代科学のように壁にぶつかって動きが停滞気味になります。見えない非物質の世界には踏み込めないのです。
出来ることなら頭脳による科学の探求だけでなく、からだを使う様々な「功法」を試される方々が増え、私の仮説をすんなりご理解いただける方々が増加することを願っています。
3.私の立場
私は健康上の理由から「気」の世界を知ることになり、40代から「気功」を中心にして、気や、心や、いのちなど、見えない世界の様々な不思議を体験し実感してきました。
そしてどのように考えたら不思議が説明できるのかを模索してきました。
そして何事も最初から否定するのではなく、可能な限り自分自身で試してみる、試せない場合は経験した方々から様々な角度から話を聞いてみる、色々な情報を集めて、できるだけ複数の視点から考えてみるように心掛けてきました。
一方、子供の頃から科学に興味をもって生きてきましたので、科学が全く解からないわけでもありません。科学と非科学の両方を浅く広く見守ってきた立場から、見えない世界に関する考え方の一つとして、私なりの仮説を発信するべきではないかと考えるようになりました。特に、科学に興味をお持ちの方々に、見えない世界にも意識を拡げて欲しいと願ってこのメールマガジンを発行してきました。
私の立ち位置は、もちろん科学を否定するわけではありません。また非科学を否定したり、逆にのめり込むわけでもありません。科学と非科学を同等に眺めわたして、両者を結びつける契機をつくりたいと考えています。
[6-5] 宇宙論と関連する分野
宇宙のしくみを考える学問は一般的に「宇宙論」と呼ばれ、「天文学」と密接に関連します。宇宙論は、古代インド、古代ギリシャの時代から色々ありますが、大きな流れは、天動説の祖と呼ばれる古代ローマ時代のプトレマイオスから始まったと言われています。以後、コペルニクス、ガリレオ、ケプラー、ニュートンを経て、アインシュタイン、ガモフらの様々な宇宙観に繋がっています。
なお現代では、宇宙における「人間原理」と呼ばれる人間の存在を重視する考えが学者たちの賛否を分かち、「多宇宙論」(パラレル宇宙論)が論議の的になってきています。
人間原理にはいくつかありますが、その背景は宇宙の観測事実に基いています。すなわち、この宇宙を支配する様々な物理法則、物理定数などが、人間が今存在するために最適となるように絶妙に調整されているのではないかという考えです。
宇宙のしくみを考える場合、当然ながら様々な学問、分野が関連します。天文学、物理学、化学、生物学、自然科学、哲学は当然ですが、他に心理学、宗教、神学、気功、ヨガなどいろいろな分野に関係します。
特に「心」の追及に関しては、精神世界、スピリチュアリズム、ニューエイジ運動、ニューサイエンス、神智学、トランスパーソナル心理学など様々な潮流、分野があります。
紙数の制限でこれらに一歩も踏み込めなかったのが残念です。
by jiriki-tachikawa
| 2015-10-22 07:30
| 不思議メールマガジン
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