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[宇宙の不思議・いのちの不思議]  第15号


[宇宙の不思議・いのちの不思議]  第15号

第2章 ミクロの世界の不思議


[2-4] 量子論のポイント   

量子論の中で重要な点、そして常識的に理解しづらい点をいくつかご紹介します。

1.光には粒の性質がある (光量子論)   

アインシュタインは、光は光子(光量子)の集まりであり、粒子の性質を持つと考えました。光量子論と呼ばれています。アインシュタインは、1921年ノーベル物理学賞を受賞しましたが、意外にも相対性理論によって受賞したのではありません。当時の事情によってこの「光量子論」によって受賞しました。

2.粒子と波の二面性

光には粒子の性質があることが判った一方で、波の性質があることはその前から知られていました。光は、波の性質を持ちながらも、粒子としての性質も持つことになります。これは光の粒子自身が波のように蛇行して進むという意味ではありません。ある場面では粒子のように見え、また違う他の場面では波のように見えるという意味です。

そしてこの粒子と波の二面性は、光子だけでなく電子や他の素粒子についても当てはまります。アインシュタインも生涯この二面性を説明するために悩んだと言われています。本件はミクロの世界の不思議の一つですので、別途ご説明いたします。

3.不連続性

量子論の重要な概念に「不連続性」があります。不連続性とは、ある「値」が連続的に滑らかに変化するのではなく、とびとびに階段を上下するように、不連続に変化するという意味です。量子論の登場前は、光やエネルギーは連続的に限りなく弱くできる筈と考えられていました。しかし、光の単位は光子であり粒なので、極限まで弱くしていくと、最後はあるかないか、1か0かになってしまいます。極微の世界では、エネルギー量や電気量(電荷)や回転量(スピン)も同様に、不連続な値しかとれなくなります。

4.決定論ではなく確率論

ゴルフの打球は、刻々とその位置や速度を予測し観測することができます。ボールの初速や回転や角度が決まれば、ボールの軌跡が決まり、到達距離や高度が確定的に決まります。これが決定論です。
しかしミクロな素粒子の世界では、個々の素粒子の具体的な位置を決定的に定めることはできなくなります。どこにどの程度の確率で存在し得るのかという確率論になってしまいます。

5.不確定性原理

写真の細部を見ようとして拡大すればするほど、細部がボヤケていきますね。ミクロの世界も同じであり、原子より小さな素粒子はボケてしまい、ハッキリと見ることが出来なくなります。
素粒子の位置や速度(運動量)を知ろうとしても、ハッキリと測定することができなくなります。位置をハッキリさせようとすると速度がボケてしまい、逆に速度をハッキリさせようとすると、位置がさらにぼんやりしてしまいます。これを不確定性原理と呼び、ミクロの世界の重要な法則です。なお量子論においては、ボヤけるという言葉でなく「ゆらぐ」という言葉を使います。
なお、位置や速度(運動量)だけでなく、時間とエネルギーに関しても不確定性原理が当てはまります。

6.観測問題

何かを見るとき、対象物に当たった光が反射して目に入ることで私たちは「見る」ことができます。見ることによって、家具やリンゴなどの対象物が変化することはありませんね。
しかし、ミクロの世界では一変します。例えば、電子などの素粒子に光を当てて見ようとすると、当たった光のエネルギーで電子が影響を受けてしまい、元のままの電子を見ることはできません。すなわち、何かを観測しようとするとその行為で状態が変化してしまうという「観測問題」があります。
このことは哲学的な深い意味合いにまで発展します。人間の、観測しようとする「意識」によって電子という存在が具体化されたと考えることもできます。観測者がいるからこそ、電子や素粒子が実存すると考えることもできます。

7.トンネル効果

テレビやラジオの電波は波であり、電波は家の壁をすり抜けますね。素粒子も波としての性質を持っており、確率的に障壁をすり抜けることがあります。壁にトンネルを掘って壁の外に素粒子が抜け出したように見えることから、トンネル効果と呼ばれています。粒子が小さいほど、またエネルギーが高いほど、壁を抜け出す確率が大きくなります。

8.量子論の問題点

(1)素粒子の「標準理論」は実用面で大きな成果をあげてきています。しかし様々な難問もあり、中でも「重力」を説明できていないという大きな欠点があります。それだけでなく、ミクロの世界での重力の作用そのものが明確になっていないようです。

(2)基本素粒子の他に、反粒子までは素粒子標準モデルに組み込まれています。しかし超対称性粒子は組み込まれていません。もし将来、ダークマターの正体が、超対称性粒子のひとつであると判明した場合、それなりの対応が必要になります。

(3)また基本の標準モデルだけでも素粒子の種類が17種類あり、さらに反粒子や超対称性粒子など影武者の素粒子も加えると、あまりにも数が多くなり過ぎている感があります。また各素粒子の大きさや質量も重いものから殆ど質量がないものまで10数桁も掛け離れています。
万物の根源の説明としてはむしろ乱雑であり、シンプルでなく美しくないのです。

素粒子の「標準理論」は、実用面で成果を上げていますが、現在は残念ながら不完全な状態に留まっていると考えられます。


[補足1] 粒子と波の二面性

粒子と波の二面性については既に簡単に触れましたが、何故なのか、どのように考えればよいのか諸説があり、現在なお明確には確定していません。ここでは、コペンハーゲン派解釈と呼ばれる説を簡単にご紹介します。

水面の波や音波のように、波は一般的に拡がりをもって振動しています。光や素粒子の波も普段は拡がりをもって振動しています。
しかし、光や素粒子の波を人間が見よう(観測しよう)とすると、それまで波として拡がっていたものが瞬時に1点にちぢんで粒子のように見える、というのがコペンハーゲン派解釈です。すなわち、見ていないときは波として振る舞い、見ようとすると粒子として振る舞うのです。そして粒子がどこに現れるかというと、確率的に波の山や谷のところで現われ易いというのです。
コペンハーゲン派解釈は、ボーアらによって提唱されていますが、アインシュタインは納得せず、何度も論争に挑んでいます。しかし勝利できませんでした。

なお、素粒子の波も他の全ての波も、シュレーディンガーの「波動方程式」を解くことによって解析することができます。シュレーディンガー方程式は量子論において、とても重要な役割を果たしています。


[補足2] たとえ話

(1)普通の人は、降っている雨の「雨粒」を見ることはできないですね。雨粒の軌跡である「縦の線」を見ています。縦の線をしっかり凝視しても、雨粒がどこにあるかはなかなか解かりません。しかし、超高速度カメラを使えば雨粒を撮影することができます。その時は、縦の線は消えて雨粒だけが見える筈です。

(2)私は、「粒子と波の二面性」についても、同様に考えると納得し易いかと思っています。すなわち、普通にボンヤリ見ていると粒子は、粒子としてではなく長さのある線(=流れ~波動)として見えますが、しっかり凝視して見ると粒子として見えてくると考えられます。

(3)「不確定性原理」も、同様のたとえ話で考えると納得し易いかも知れません。
固定した超高速度カメラを使って雨粒を撮影すると、タイミングがピタリと合えば雨粒の形と位置は判りますが、速度は判らなくなります。
カメラを雨粒と同じ速度で降下させながら撮影すると、カメラの速度から雨粒の速度は判りますが、位置が判らなくなります。

上記はあくまでも私のたとえ話です。しかし量子論のような直感的に判り難い理論を理解しようとする場合は、たとえ話が役立ちます。納得し易くなり、腑に落ちる場合があります。物理学者もたとえ話をよく使って説明しています。
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by jiriki-tachikawa | 2014-07-17 00:00 | 不思議メールマガジン

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