[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第11号
[宇宙の不思議・いのちの不思議] 第11号
第1章 宇宙の不思議
[1-9] ダークエネルギーの不思議
1.ダークエネルギーとは?
(1)20世紀前半のハッブルらの発見以来、宇宙が膨張していることは知られていました。ところが近年になって驚くべき事実が判明しました。遠方の銀河を精密に観測することによって、宇宙の膨張は加速度的にますます膨張していることが判りました。そして異なる他の方法で調べても、やはり宇宙は加速度的に膨張していることが確認されました。1998年、わずか10数年前のことです。
(2)それまでは、宇宙は膨張していても次第に膨張速度が弱まり、やがて平衡するか、あるいは緩やかな収縮に向かうのでは、と考えられていました。ところが宇宙が膨張する速度は、年月の経過とともに大きくなっているわけです。
(3)それを説明するためには、星や銀河や銀河団が相互におよぼす引力(重力)に対抗して、宇宙を加速度的に膨張させ得る巨大なエネルギーが必要になります。しかしその実態は全く不明であるため「ダークエネルギー」(暗黒エネルギー)と呼ばれています。
(4)現在の宇宙では、星や銀河や銀河団などを構成する全ての物質を集めても、物質合計は宇宙全体の4.9%しかないことが判っています。残りはダークマターとダークエネルギーで95.1%を占めており、未知の物質と未知のエネルギーがほとんどを占めていることになります。宇宙は未知だらけ、謎だらけなのです。
[宇宙の構成比率]
○物質合計 4.9%
○ダークマター(未知) 26.8%
○ダークエネルギー(未知) 68.3%
(5)ダークマターとダークエネルギーは何が違うのでしょうか?
ダークマターは重力作用を及ぼすので「物質」です。ただしどのような物質なのかが不明です。物質を細かく分解していくと、これ以上分解できない素粒子に行きつきます。素粒子にも沢山の種類があります。また、理論的に存在が予言されているだけで実際に発見されていない素粒子もあります。恐らくそれらのどれかではないかと考えられています。
一方、ダークエネルギーは物質ではなく「エネルギー」です。形がありませんから観測が格段と難しいのです。
また、ダークマターは質量に応じた「引力」を作用させますが、ダークエネルギーは反対に「斥力」(反発力、反重力)を及ぼすと考えられます。
2.ダークエネルギーの正体は何か?
ダークマターの場合は、未知ながらも一応2~3の候補があります。
しかしダークエネルギーの場合は、全く正体不明な状態です。ダークエネルギーは恐らく宇宙空間に均一に拡がっていると考えられていますが、その実体は何も解かっていません。現代科学における最大の不思議といっても良いと思います。
<私見>
(1)宇宙に関して、アインシュタインをはじめ、ほとんどの科学者の関心は、物質やエネルギーと、それらに関する様々な現象に向けられています。惑星や恒星、銀河や銀河団などの物質、そしてそれらの入れ物である宇宙の拡がりや成り立ちなどに関心が集中しています。
(2)しかし、大変大事なことが忘れ去られています。宇宙は物質やエネルギーだけで構成されているわけではありません。私は、人間をはじめとする生命体が宇宙の重要な構成要素であり、人間にとっては、それらによる様々な現象、そしてそれらと物質との関わりが、より重要であると考えています。
(3)劇場に例えると、物質だけの宇宙は劇場のハードウェア、すなわち建物と舞台装置に過ぎず、本当の主役は生命体すなわち人間(役者、スタッフ、観客、そして制作者)であると考えることができます。主役を無視して舞台装置だけに注力しても「お芝居」になりません。
(4)人間には「心や気やいのち」が深く関わっています。それらが人間をして人間たらしめていると言って良いと思います。しかし多くの科学者は、それらに目を向けません。我関せずと放置しています。全く無関心の科学者も多くいます。見えないし、観測が難しく、歯が立たないのです。
後の章で述べますが、「心や気やいのち」は物質に作用を及ぼすことがあると私は考えています。
(5)宇宙空間からガスやチリや全ての物質を取除いた空間を「真空」といっています。
私は、真空も実は空っぽではなく、「根源のエネルギー」で満たされていると考えています。すなわち宇宙空間は「根源のエネルギー」の働く場であると考えています。
(6)そして、ダークエネルギーも、ダークマターも根源のエネルギーと密接に関係していると考えています。
(7)さらに、根源のエネルギーは3次元空間に留まらず、高次元空間に拡がっていると考えています。そして「心や気やいのち」と密接に関わっていると考えています。なお、根源のエネルギーは、日本ではしばしば「気」という言葉で表現されています。
(8)残念ながら現在の宇宙論のほとんどは物質レベルに留まり、「心や気やいのち」を考慮に入れていません。したがって数々の「不思議」が未解決のままに残っています。相対性理論も、対象を物質とそのエネルギーと空間だけに限定した狭い理論であると私は感じています。
「第1章 宇宙の不思議」 はここまでに留めたいと思います。科学が進歩しているとは言っても、不思議がまだまだ一杯残っていることをご理解して頂ければ十分です。
その中で特に重要な、ブラックホール、ダークマター、ダークエネルギーなどにスポットをあててご説明してきました。他にも、宇宙の始まりはどうだったのか? 宇宙の最後はどうなるのか? 地球外生命体はいるのか? などなど不思議や謎は無数にあります。紙数に余裕があれば後の章で触れたいと思っています。
なお、<私見>と題した部分は、私自身の個人的見解を一部挿入しました。私見に関しては、第5章 宇宙のしくみ -仮説- において、あらためてまとめてご説明する予定です。
次回は第2章に進みます。
第1章では宇宙などマクロな世界を対象にしましたが、第2章では、逆にミクロの世界を概観していきます。構成は下記を予定しています。
第2章 ミクロの世界の不思議
[2-1] 量子論とは?
[2-2] 物質の根源は?
[2-3] 素粒子の影武者
[2-4] 量子論のポイント
[2-5] 超ひも理論とは?
[2-6] ミクロの世界の不思議
by jiriki-tachikawa
| 2014-05-22 00:00
| 不思議メールマガジン
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